建通新聞社四国
2014/04/01
【香川】液状化危険度A面積8.3%に増加
第9回香川県地震・津波被害想定調査委員会が3月31日、高松市内で開かれ、県は「南海トラフの発生頻度の高い地震(L1)」の地震・津波被害想定を示した。L1は南海トラフで数十年から百数十年に1度発生し最大クラスに比べ震度は小さいものの、大きな被害をもたらす地震。県は内閣府と相談しつつ検討したモデルを使い、最新のデータによる震度分布や津波浸水等の推計見直し、これに基づく人的・物的被害の推計と被害シナリオ作成などを行った。
被害想定によると震度分布の市町別最大震度は5強〜6弱。南海トラフの最大クラスの地震(L2)の市町別最大震度は6弱〜7となっており、これより下回る。L1について前回公表(2013年3月31日)と比べると、丸亀市、土庄町、小豆島町、多度津町の4市町で5強が6弱となった。
L1の液状化危険度予測はかなり危険度が高い危険度Aの面積が県全体の8・3%で前回公表の6・8%から増加。津波浸水想定では市町別の最高津波水位(満潮位・地殻変動考慮後)は2・3bから3・2bで前回公表と比べて丸亀市、観音寺市、東かがわ市、三豊市、宇多津町、多度津町の6市町で0・1〜0・4b高くなった。市町の代表港の最高津波水位(満潮時・地殻変動考慮後)は2・1〜3b。高松、丸亀、観音寺、引田、詫間港須田、宇多津の6港で0・1〜0・3b前回公表時から高くなった。
また、L1浸水面積は全県で1091f。最新データにより見直しを行った結果、前回公表(2085f)時と比べ994f減少した。市町別では高松市と丸亀市など8市町で減少。さぬき市、東かがわ市で増加した。
これらL1被害想定に基づく建物被害は最大の場合、全壊・焼失棟数2300棟、人的被害は死者数120人、負傷者数1200人、ライフライン被害の上水道(断水人口)は22万6000人、電力(停電件数)は8万8000軒、避難者数5万9000人で、直接経済被害額は3600億円と試算した。