静岡県企業局は、新たに内陸フロンティア関連工業用地供給モデル事業として着手する小山町湯船原地区の工業用地造成で、2014年度に測量・設計、用地買収を行い、15年度からの造成工事を目指す。また、地元調整、企業誘致などで連携する小山町との協定を25日に結び、役割を明確化して事業推進の体制を整えた。
(仮称)小山湯船原工業団地の開発は、県企業局がレディーメード方式(先行用地造成)で進める事業。建設地は、首都圏からの距離も近く、20年度完成予定の新東名高速道路小山スマートICから約4`に位置し、周辺には国道246号が通るなどアクセスがそろっている。この他、富士山も眺望でき、県では工業団地の周辺環境整備として「富士山の見える公園なども考えられる」としている。
面積は約30f。基礎調査の結果、13区画を造成する可能性が高いとしている。小山町湯船原は「内陸のフロンティアを拓(ひら)く取組」の総合特区となっている地域で、木質バイオマス発電を中心とした産業拠点整備事業が計画されている。工業用地造成地は、バイオマス発電施設計画地に隣接する土地。全体事業費は約46億円で、14年度当初予算に20億5000万円を計上した。
協定では、小山町の役割として@開発区域周辺の町道整備などで工業団地の利便性向上に取り組むA調整池を含む公共施設を取得して管理する他、分譲中用地の除草などの維持管理を行う−などを盛り込んだ。
企業誘致についても小山町が専門部署を設置し、県の企業局、経済産業部などと連携して取り組むとした。17年度末の造成工事完了、18年度からの分譲開始を目指し、企業誘致活動を展開する方針。企業局では、「早くから進出を希望する企業については、そのオーダーに合った区画に対応することも可能」との意向を示す。
(2014/3/31)
建通新聞社 静岡支社