建通新聞社四国
2014/03/25
【徳島】海部病院移転新築を年内に発注
徳島県病院局は、2014年度の営繕計画として、県立三好病院の旧高層棟解体や低層棟の機能整備を進める一方、県立海部病院の移転改築について、年内にも建築本体の工事発注を計画している。また、徳島大学病院との医療連携を目指す県立中央病院については、既設高層棟の解体を急ぐ一方、跡地利用として立体駐車場や外構工事を図るため、設計着手に向けて大学、大学病院など関係機関との詰めを急ぐことにしている。各病院の14年度営繕計画は次の通り。
◇県立三好病院
高層棟改築の整備完了(4〜5月ごろ)を機に、早期の開院を目指していく。開院を受けて旧高層棟などの解体を発注するほか、低層棟の機能整備として、内部改修、空調などの設備改修を進める。また、既設解体の進捗をみながら外構設計に着手する。
解体対象は、旧高層棟のほか、別館、準看護学院(医師会館)、渡り廊下棟、プロパン庫、焼却炉建屋。順調なら1本の解体工事として発注する。事業費は3億5000万円。
各既設規模は旧高層棟が鉄筋コンクリート造6階建て延べ1万1151平方b、別館が鉄骨造2階建て延べ429平方b、準看護学院が鉄骨造2階建て延べ289平方b、渡り廊下棟が鉄骨造2階建て延べ54平方b、プロパン庫が鉄筋コンクリート造平屋9・6平方b、焼却炉建屋が鉄骨造平屋8・9平方b。跡地は更地にして駐車場として活用する。
低層棟の機能整備は、医局跡を多目的に使える地域連携スペースとして改修するといった空きスペースの間仕切り改修、劣化が進行している一部空調機器の配管ダクトなどの修繕を見込む。事業費は1億2900万円。
既設解体は14年度内、低層棟の機能整備は15年度内の完了を見込む。外構工事も15年度に実施し一連の整備を完了させる。
所在地は三好市池田町シマ815ノ2。
◇県立海部病院
当面は計画地の造成工事(第1、2分割)を進める。建築本体は14年度末までの着工に向けて、遅くても年内をめどに一般競争入札の公告に備える。建設事業費は60億5000万円(継続費)。当初予算には3億5300万円を計上している。
計画規模は鉄筋コンクリート造(免震構造)6階建て延べ1万0550平方b。病床数110床。病棟屋上にドクターヘリが離発着できるヘリポート(自重10d)を整備するほか、敷地内に平面駐車場と併せて3層建ての立体駐車場を一連の事業として整備し、屋上を平常時は職員駐車場として、災害時には海上保安庁が現在所有する最大規模の救援ヘリが離発着できるサブのヘリポート(自重12d)を設置する予定。平常時は県南地域の医療の拠点として、災害時は県南地域の新たな防災拠点として、リバーシブルな機能を備えた高台移転の全国モデル的な病院を目指す。
建設地は牟岐町中村字杉谷地内。
◇県立中央病院
12年度の新病院の開院に伴い、旧病棟の解体が進められており、14年度も旧本館(高層棟)の解体を継続する。また、旧病棟の跡地を含む敷地約1・7fに、15年度から大学病院と共同利用する立体駐車場や外構工事の整備を予定しており、13年度には基本構想の策定に向け、大学との間で青写真づくりに着手している。順調なら4月以降の早い時期にタタキ台を示し、交差点協議や交通機関との打ち合わせを急ぐなど構想をまとめたい考え。専門家からの意見も聞き入れることにしており、設計の着手は14年度後半になる見通し。外構・立体駐車場の設計などの予算として2800万円を計上している。
立体駐車場の計画内容については現時点で不明。当初計画では複層構造の自走式駐車場を見込んでいたが、大学側の立体駐車場の整備や中央病院の来院者の質的量的な変化など、取り巻く環境も変化しており、中味を精査し直している。また、旧病棟の解体は6月いっぱいかかる見通しで、14年度は跡地に補助的な駐輪場を整備する。事業費として1000万円を確保している。
所在地は徳島市蔵本町1ノ10ノ3。