日本工業経済新聞社(山梨)
2014/03/20
【山梨】リニア駅周辺整備で配置案
リニア中央新幹線山梨県駅の周辺整備について協議する県の検討委員会の第4回会合が19日に開かれ、駅周辺に整備すべき施設の配置案などを協議した。県の案によると、配置する機能の規模は、リニア駅およびスマートICの規模が固まったため、前回会合で示した約28hから約24hに縮小。また、「観光・憩い・交流機能」を駅南側に、「パーク&ライド用駐車場」を駅北側に配置するのが好ましいとした。
委員会は新年度も継続して開き、配置計画や整備手法などを検討。県は整備基本方針を策定する。
リニア中央新幹線の山梨県駅はJR東海が建設するもので、山梨県駅は、甲府市大津町に高架(高さ約30m)で計画。県では、駅周辺の適切な土地利用を図るため、有識者などによる検討委員会で協議を進めている。
これまでの委員会で県が示した駅周辺地区に導入する機能の規模は合計約28haだったが、リニア駅、中央自動車道に設置するスマートICの規模が固まったため、合計で約24hに縮小。観光機能など約11h、駅約2・5h、スマートIC約2・5h、周辺地区内道路約2h、交通結節機能6ha(駅前広場1ha、パーク&ライド用駐車場5ha)で検討していくことを示した。駐車場は費用や景観などを考慮して平面式が適当で、有料を前提に検討するとした。
第4回委員会では、「観光・憩い・交流機能」施設と駐車場を、駅の南北どちらに配置するかについて協議。県では、駅北エリアは、北側が中央道、西側は鎌田川、東側はスマートICに囲まれる空間で駐車場へのアクセスが優れており、駅南エリアは、南側が新山梨環状道路、西側が県工業技術センターで、日当たりも良い。そのため北エリアに駐車場を、南エリアに観光など施設を配置するのが好ましいと提示した。そのほか、観光機能を集約して配置すべきか分散配置すべきかや、産業振興機能の場所などについて協議した。
出席した委員からは「この地域は水害に弱く、先日の大雪災害も考えると、防災機能も持たせるべきでは」「施設と駐車場の距離が遠くならないか」「駐車場は目的別に分散させた方が良いのでは」などの意見が出た。
さらに、リニアによって名古屋との移動時間が短くなるため宿泊ニーズが高まることが予想され、ホテルの誘致に取り組むべきとの声もあった。
駅周辺整備検討委員会は14年度も継続し、県では年度内に整備手法などの基本方針をまとめる。