建通新聞社四国
2014/03/18
【徳島】62億円で防災行政無線全面更新
徳島県は、県防災行政無線「総合情報通信ネットワークシステム」の再整備(全面更新)に2014年度から着手する。事業費は2カ年で約62億円を見込む。工事は電気通信工事として一般競争入札(WTO案件)する。順調なら第1四半期中、遅くても上半期中には入札公告する見通し。
県の防災行政無線は1995年から96年にかけて整備され、18年近く経過し設備の老朽化による障害などの発生が危惧されている。加えて保守部品の製造中止や確保が困難になり障害復旧に時間がかかることも予想され、また、設備が画像情報やIPデータに十分対応していないため、高速大容量のデータ伝送に対応できないのが現状。このため設備の全面更新によるIP化やデジタル化、非常用電源運転時間の長時間化などの対応を図り、災害時の確実な通信手段を確保することにした。12年度に基本設計、13年度に実施設計を実施している。
実施設計は一般財団法人日本消防設備安全センター(東京都港区)が担当。業務では、地上系無線・衛星系無線の再編検討・調査(電波伝搬、地質など)・設計、通信機能の検討・設計、再整備に伴う既存設備などの仮設・撤去の検討・設計などを実施。統制局(県庁)以下、防災センター、中継局10局(既設)、支部局(合同庁舎)9局、県単独出先局12局、防災関係局10局、市町村局24局、消防局9局などといった地上系無線のほか、衛星系無線、移動局で設備機器などの全面更新(必要なら既設建屋の耐震化も実施)を図る。このほか市町村端末で72時間対応の非常用電源(ディーゼルタイプ)に切り替える予定。
また、既設以外で、六郎山中継局(勝浦町坂本)、一宇剪宇簡易中継局(つるぎ町一宇)、西祖谷山簡易中継局(三好市西祖谷山村)、川井反射板(美馬市木屋平)などで当初新設を計画していたが、これらは検討中としており、当面は既設の更新を優先させる。
再整備は15年度中に完了。一定期間の試験運用を経て16年度からの本格運用を目指す。