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建通新聞社(神奈川)
2014/03/14

【神奈川】海老名市 「本郷門沢橋地区特定保留区域」 市街化区域編入へ 工業などの集積目指す

 海老名市は、「本郷門沢橋地区特定保留区域」の約15・1fを市街化区域に編入し、区域内での工業・流通・研究開発機能の形成をさらに誘導する。当該地域は、国の特例措置によりすでに一部に流通施設などが稼働している。市街化区域に編入するとともに、地区計画で用途などを定めることにより、工場系などの進出を図る。開発済みの区域を含んだ特定保留区域は全国的に見ても珍しい。海老名市によると、「すでに数社が工場立地などの意向を示している」おり、さがみ縦貫道路の海老名インターチェンジ(IC)から約3`という利便性を生かした開発が期待できそうだ。
 3月23日に都市計画変更の説明会を開催。6月には海老名市決定の用途地域、地区計画、下水道に関する地区計画原案と神奈川県決定の区域区分の素案を縦覧。12月には都市計画案の縦覧を行う予定。海老市決定分は15年1月の都市計画審議会に、県決定分は2月の都市計画審議会に諮る。ここで同意されれば、3月に都市計画決定・変更を告示する予定だ。
 場所は、海老名市本郷五反田、門沢橋1、6丁目ほかで面積は約15・1f。、さがみ縦貫道路海老名ICに近くの県道22号(横浜伊勢原)沿道に位置する。県の第6回線引き見直しに伴う都市計画変更(09年9月18日付)により、工業系の特定保留区域に位置付けられている。一方で、海老名ICの開設に伴い工業系の需要が高まったため、「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律」(物流総合効率化法)により物流施設の立地が可能となっている。すでにキリン物流の流通施設などが立地している。
 市は、特定保留区域の位置付け当初は組合施行による土地区画整理事業を予定していたが、すでに一部が開発されていることなどから、地区計画で市街化区域に編入する方針に転換した。
 10年度以後、「今後のまちづくりに関する勉強会」を開催。12年1月には、「本郷・門沢橋地区特定保留区域開発ガイドライン」を策定し方向性を確定した。
 地区計画の目標では、土地の優位性を生かし工業系を主体とするとともに、県道沿道や既存集落の市街地環境に配慮した土地利用を誘導する。
 用途地域は工業地域で、容積率60%、建ぺい率200%。住宅系の用途は制限。建築物の高さの最高限度は30b。建築物の緑化率の最低限度は3%以上。道路は、これまでの開発でほぼ整備されているが、地区計画で若干修正する。既存の住宅は例外として認めるが、新規の住宅建設はできない。
 現在、地域内にはキリン物流の流通施設のほか、住宅、商業施設、工場、田畑などが混在している。