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建通新聞社(静岡)
2014/03/14

【静岡】静岡県 富士山世界遺産センターの建築設計者 坂茂建築設計を特定

 静岡県は、(仮称)富士山世界遺産センターの建築設計者の公募型プロポーザルで、8日に6者を対象とした第2次審査を行った結果、最優秀者に坂茂(ばん・しげる)建築設計(東京都世田谷区)を特定した。3月末までに委託契約を結ぶ予定。
 富士山世界遺産センター建築工事設計については、公募型プロポーザルで公告し、全国から238件の参加表明書が提出された。その後、100件以上の審査提出図書が出され、第1次審査で6者を選んだ。県は、2013年度〜14年度に基本設計・実施設計を予定し、16年度中の開館を目指す。
 2次審査のプレゼンテーション、ヒアリングは公開で行った。最優秀者に決定した坂茂建築設計は6番目のグループとして意匠担当の坂氏が中心となって発表した。
 プレゼンテーションでの内容は、「富士の水の循環と反映」をテーマに、降水、湧水など豊富な富士の水の流れに注目し、それを体感できる施設とした。敷地内の東側の施設前面に水を張り、水盤とすることで「水盤上に浮かぶセンター」を表現する。
 建物は全面をガラス張りにし、施設内部に富士山を逆さにしたようなすり鉢状の鉄骨造(外装に県産材を使用)の構造体を設ける。中央にエレベーターを設置し、構造体内はらせん状になだらかなスロープを配置し動線とする。全面をガラス張りとすることで、前面の水面に富士のような形が映し出される。また、屋上のカフェには富士山が入るピクチャーウインドーを設ける工夫も凝らした。
 人と車の動線については、東側の鳥居を入口として人は施設に、車は駐車場に分かれることを提案した。
 坂茂氏は、1957年東京生まれ。85年に坂茂建築設計を設立。97年に「紙の教会」で日本建築家協会新人賞、2001年に松井源吾賞、06年に王立英国建築家協会国際研究奨励賞、09年に日本建築学会賞作品部門、10年にフランス芸術文化勲章、12年に毎日芸術賞、芸術選奨文部科学大臣賞など国内外で数々の賞を受賞している。
(2014/3/14)

建通新聞社 静岡支社