建通新聞社
2014/03/12
【大阪】同種工事の実績緩和、土木Cでも若手評価型
国土交通省近畿地方整備局は、分任官工事の競争参加資格要件において同種工事の実績を緩和するほか、若手技術者評価型の総合評価方式を土木B等級の全工事と土木C等級の一部の工事で試行する。業務委託については、一部の標準プロポーザルでヒアリングを省略するとともに、全てのプロポーザルと総合評価方式で管理技術者の技術者資格を原則加点評価しないこととした。いずれも4月1日以降に手続きを開始するものから適用。3月10日に開かれた2013年度第4回総合評価委員会で了承された。
同局は競争参加資格要件として同種工事の実績を求めているが、要件を緩和し参加者を増やすことで不調・不落の防止対策とする。技術者不足により競争参加企業数が多く見込めないと推測される分任官工事で適用。
例えば掘削8万立方bの道路改良工事では、これまで企業と配置予定技術者に「道路工事における掘削(または切り土)」の施工実績を求めていたが、要件緩和により「掘削(または切り土)」の実績を求める。ただし、総合評価方式での評価項目は、現行通り「同種性の高い施工実績」として当該施工数量と同等以上の実績を評価する。
競争参加資格要件での施工実績は自治体や民間の工事も可だが、総合評価方式での施工実績は直轄のみ評価対象となる。
若手技術者評価型の総合評価方式は、13年度にB等級の改良・トンネル工事のみで実施。2件で試行したが参加者16者のうち若手技術者での申請は3者のみと少なく、落札には至らなかった。現在4件で手続き中だが、若手技術者での申請は少ない状況だという。
そのため14年度は、土木B等級の全工事で試行するほか、若手技術者活用が可能な土木C等級の工事でも試行。併せて、若手技術者(監理技術者)の要件を「国家資格等を有してから3年以上」から「年数規程無し」に、ベテラン技術者(専任補助者)の経験年数を「国家資格等を有してから10年以上」から「5年以上」に緩和していく。配置予定技術者に代わり、これまで通り専任補助者を評価の対象とできる。
業務委託では、一部の標準プロポーザルでヒアリングを省略し、手続きの簡素化を図る。これに伴い「評価テーマに対する技術提案」の提出枚数を従来の1枚から2枚にする。1事務所1件程度で試行。手続き期間が約1週間短縮できるという。
管理技術者の技術者資格(技術士、博士、RCCMなど)の評価については、応札者間での差がつきにくい項目となってきているため、加点評価は原則として行わないこととした。技術者資格(5%)の評価点割合分を業務執行技術力(10%)の評価点に加算し、業務執行技術力の割合を15%に引き上げる。