建通新聞社
2014/02/27
【大阪】リニア全線同時開業へ経済界と協議会
大阪府は、リニア中央新幹線の東京〜大阪間の2027年全線同時開業を目指し、関西経済界と連携して国への働き掛けを強めていく構えだ。14年度当初予算案には関連事業費450万円を新規計上。4月以降、早い段階で、関西経済連合会、大阪商工会議所、大阪府商工会議所連合会などとともに「リニア中央新幹線全線同時開業実現大阪協議会(仮称)」を立ち上げるほか、国への要望やリニア開業時期の遅れによる影響調査、整備促進手法の検討を行う。
JR東海による現行の計画では、リニアの開業時期は、東京〜名古屋間286`の27年に対して、名古屋〜大阪間152`が45年と、18年程度遅れる見通しとなっている。
これを府は「空白の18年間」と捉え、関西だけでなく日本全体の経済活性化にとって影響があると分析。首都圏との一体化による国際競争力強化、東京の一極集中からの国土構造の転換、東西二極を結ぶ広域交通インフラの確保へ、リニアの整備が不可欠とする。
今後は、国への要望を強めながら、17年にアセスを開始し、終わり次第、着工。27年の完成・開業を目指す。
リニア新幹線は、11年に国土交通大臣が整備計画を決定。13年に東京〜名古屋間の環境影響評価準備書を公表。14年に工事実施計画の国土交通大臣認可が予定される。建設費は東京〜大阪間で9兆0300億円、東京〜名古屋間で5兆4300億円が見込まれる。
関西経済連合会や大阪商工会議所では、2年前から全線同時開業に向けたシンポジウムなどを開催。府の担当者は、「同じ方向を向いている」とし、協議会への参加を求めていく。
影響調査と整備促進手法の検討業務については、協議会から委託する予定。府の入札契約制度に準じた方法で委託先を選定したいとしている。