建通新聞社四国
2014/02/21
【高知】県が建設業活性化プランを策定
高知県は、急増している入札不調・不落への対応、技術力や経営力の向上への積極的なサポート、コンプライアンスの確立の三つを柱として今後の取り組みを盛り込んだ「高知県建設業活性化プラン」を策定した。現場からの要望が多い、工事発注の平準化や技術者不足への対応について盛り込んでいるほか、県外・海外にも通用する優れた技術を持つ県内建設業者や健全な経営と高い施工者を持った建設業者の育成など建設業の新たな展開を目指した取り組みを進める。
入札不調・不落への対応としては、現場実態の積算への迅速な反映、十分な工期の確保、工事の平準化、技術者などの人材不足への対応−の4点をポイントとして挙げている。
現場実態の積算への迅速な反映には、建築資材の価格動向を把握し急変の場合は工事価格に迅速に反映、7月をめどに施工パッケージ型積算方式の導入などを進める。十分な工期の確保には、繰越制度の活用など難度をまたいだ工期設計を拡大する。工事の平準化には、翌債制度の積極的活用や県単事業での繰越制度の柔軟な活用により、年度末における工事集中の回避と適正な工期を確保、市町村に対しても工事の平準化を呼び掛ける。人材不足への対応には、2013年度の特例措置とした現場代理人の常駐緩和の制度化、主任技術者の兼任要件を5`以内から10`以内に緩和、総合評価方式で41歳未満の若手技術者を配置する企業の評価に10点加算−などを盛り込んでいる。
技術力や経営力の向上へのサポートなど建設業の活性化支援には、14年度当初予算案で1346万円を計上し、各種施策を進める。
具体的には、建設業支援アドバイザー制度創設に532万円。新技術の開発・改良、経営戦略、経営管理などの課題に対し、専門家による指導・助言を最大5回まで受けることができる。建設業者向け技術研修の充実・拡大には220万円。工程管理などのマネジメント技術習熟に向けた建設業施工力向上研修、建設生産システムの効率化に向けた情報化技術の活用に向けた検討普及などを予定している。建設業の魅力発信の支援などには592万円。このうち、建設業広報推進事業費補助金に350万円で、建設業関係団体が行う建設業の魅力発信の取り組みについて2分の1を助成する。維持委託事業者のキャッシュフロー対策には242万円で、出来高部分払い方式の導入に向け検討を進め、15年度の試行、16年度の本運用を目指す。
コンプライアンス確立に向けては、これまで法令順守の意識、違反行為のできない仕組み、厳しいペナルティを3本柱として取り組みを進めている。今後は、これらの取り組みについてPDCAサイクルによる検証・改善を進めるほか、工事費内訳書提出義務の範囲を14年度は1000万円以上、15年度は500万円以上に拡大する予定。また、新たに効率的な工程管理による利益の確保を目指すための研修実施や、市町村の入札結果の公表への働き掛けを行う。