建通新聞社四国
2014/02/18
【香川】県当初予算案一般会計は2%増
香川県は総額4356億円にのぼる2014年度一般会計当初予算案を明らかにした。予算規模は4355億9700万円で13年度当初予算に比べ約82億円増え同比1・9%増。地方財政計画の1・8%増を上回り、2年ぶりの増加。予算規模はほぼ12年度当初予算並みで08年度以降最大。一般会計に占める投資的経費も606億円と前年度に比べ9・7%増加した。また好循環実現経済対策の13年度補正予算分(65億円)を加えた14年度の実質予算規模は、4421億円。13年度当初予算(4274億円)と12年度補正予算分(127億円)を加えた総額4401億円に比べ、20億円増加した。
県は「せとうち田園都市の創造」の実現に向けた「成長、安心、笑顔のかがわを目指す予算」として位置付け、せとうち田園都市創造プランに掲げる15の重点施策や防災・減災対策などに取り組む。
産業成長戦略の推進や農地中間管理機構の創設など新たな農業・農村政策に対応。高松空港北東隣接地に150台分の県営駐車場を整備する高松空港駐車場整備(8300万円)に新規に取り組むほか、中間工区国道32号〜琴電琴平線交差部の部分立体構造整備と高松西IC〜高松空港までの整備など空港連絡道路の整備(8億8200万円)を進める。
安全・安心かがわの実現では大規模災害に備えて市町が行う防災・減災対策に補助する「地域防災力総合支援事業」(1億円)を新規に創設。補助率2分の1以内で市町主体の避難誘導標識の整備やハザードマップの作成、家具転倒防止対策などの住民の防災意識を高める取り組みを後押しする。
民間建築物の耐震対策支援拡充で、新規に民間大規模建築物の耐震改修等補助(3000万円)や県が指定する避難路の沿道建築物耐震化支援(1000万円)を創設する。
昨年11月25日からの改正耐震改修促進法の施行により大規模地震時に通行を確保する指定避難路の沿道建築物や不特定多数の人が利用する耐震診断が義務付けられた。指定避難路は県が地域防災計画に定めるDID地区内にある第1次輸送確保路線(県内20路線)を指定。同路線で一定の要件に該当する沿道建築物の耐震診断を義務化する。このため、市町と連携し所有者負担がゼロの耐震診断補助制度を創設した。
交通死亡事故ワースト上位からの脱却を目指した交通安全施設等の整備に13億8700万円を重点配分。778交差点での道路標識・標示の高輝度・カラー化、126交差点の横断歩道の高輝度・カラー化、50カ所のカラー舗装・路面表示や信号のLED化と自転車通行環境整備に取り組む。
南海トラフ巨大地震など津波・高潮への備えで津波・高潮等対策事業に28億8100万円を計上。14年度に「津波・高潮対策整備推進アクションプログラム」T期区間の防潮壁の整備等を完了させる。このうち高潮等対策事業(15億8700万円)ではアクションプログラムに基づき津田港、高松港海岸など32カ所の防潮壁など高潮対策を実施。南海トラフ巨大地震に備え、高松港海岸ほか7港湾の調査設計に着手し詰田川他で津波・液状化対策に取り組む。
ダム整備、災害に備えた、ため池整備等で香東川総合開発事業(椛川ダム整備)では27億円と債務負担分(限度額222億円、15〜20年度)を盛り、ダム本体に着工、引き続き付け替え道路工事も進める。ため池防災対策等事業には19億3900万円を計上した。10万d以上の大規模ため池10カ所の耐震診断(6100万円)や、老朽ため池整備(13億5400万円)で22地区の未改修ため池を整備する。
この他、新規に耐震化整備で2億1000万円を盛り、10万d以上のため池のうち耐震性が確保されていない、石神池(さぬき市)と逆瀬池(三豊市)の2カ所で耐震補強工事を進める。市町が行う個人所有者などのため池防災工事や保全整備工事に助成する小規模ため池防災対策特別事業にも1億0400万円を計上、ハザードマップ作成支援で105カ所の市町への補助2億1000万円を計上した。
各部局の14年度建設関連予算のうち新規事業は次の通り。
【政策部】
▽高松空港駐車場整備8300万円
【危機管理総局】
▽地域防災力総合支援1億円▽泡消火剤貯蔵タンク点検調査・改修2802万5000円▽防犯カメラ設置・運用ガイドライン策定78万4000円
【環境森林部】
▽次世代自動車充電インフラ整備促進(国の次世代自動車充電インフラ整備促進事業を活用し、県有施設に充電施設を設置)816万8000円▽民間施設再生可能エネルギー等導入促進(災害時などに地域の防災拠点となり得る民間施設に再生可能エネルギー等導入を促進)▽里海づくり基本モデル確立(代表流域で実証実験、里海づくりの効果的な取り組みを示す県民参加の基本モデルを構築)600万円▽第4次全県域生活排水処理基本構想策定500万円▽木質バイオマス利用促進(木質バイオマスボイラー等の利用実態・導入見込み調査や広葉樹材の薪ボイラー燃料利用による導入効果など実証)670万円
【健康福祉部】
▽回復期リハビリテーション病床等整備(かがわ総合リハビリテーションセンターに回復期リハビリテーション病棟、療養介護病棟を整備)864万2000円▽ふじみ園設備改修(ふじみ園の空冷式ヒートポンプチラー設置に係る設備工事)8248万4000円▽地域災害拠点病院施設整備(ヘリポート施設整備に対し補助)1940万6000円▽小豆医療圏公立病院再編整備支援(16年春開院予定の小豆新統合病院整備に係る事業費の一部について地域医療再生計画に基づき補助)15億4560万円
【農政水産部】
▽果樹・オリーブ研究所整備構想策定(老朽化した府中果樹研究所、小豆オリーブ研究所の施設整備構想策定)100万円▽畜産試験場汚水処理施設等整備(産業廃棄物として処理していた汚泥を堆肥として処理するための施設整備や老朽化した汚水処理施設の整備に係る実施設計等)2884万6000円▽県営ため池耐震化整備2億1000万円▽畑かん施設ストックマネジメント調査診断(老朽化している畑かん施設の計画的な補修整備に向け機能診断調査を実施する市町に対し支援)515万円▽ため池を活用した太陽光発電施設導入実証実験1500万円▽漁港施設機能強化(機能強化に取り組む市町支援)2700万円▽水産試験場機能強化900万円
【土木部】
民間建築物耐震対策支援事業費補助5452万1000円
【警察本部】
街頭防犯カメラ整備3991万円▽中讃地区運転免許更新施設整備(運転免許更新者に対する利便性向上のため、現善通寺警察署庁舎等を有効活用し新たに運転免許更新施設を整備)5650万5000円
【教育委員会】
▽特別支援学校大規模改修(聾学校寄宿舎外壁改修、香川丸亀養護学校給食棟屋上防水等改修)4141万9000円▽県立丸亀競技場施設整備・改修(更衣室改修、入場券売り場の整備など)1950万円▽屋島少年自然の家改築事業(老朽した研修棟改築のための実施設計)755万5000円