日本工業経済新聞社(埼玉)
2014/02/14
【埼玉】杉戸町が複合施設の設計で提案内容など公表
杉戸町が計画する統合幼稚園および保育園複合施設の整備に向けて、公開プロポーザルにより行った設計者選定で、提案内容および審査委員長の講評が明らかになった。最優秀者はエーピーエヌ設計(越谷市、電話048−990−8560)を代表とする3者JV。構成員は共同設計、設計事務所ゴンドラ。準優秀者は松下設計。
同JVは「みんなでつくる森の中の木のおうち」と題して、イラストを用いて分かりやすく説明。「安心・安全のつくりかた」では、建物に裏側をつくらないことで、敷地全体に大人の目が行き渡ることや駐車場内に歩道を設置することなどを提案。また、「木材の活用について」は、構造全体にスギ材を用い、一般流通寸法材(幅90〜120mm、せい120〜240mm、長さ4m)を主体の構造とした。
「環境、省エネ、ランニングコスト」としては▽木・アルミ複合サッシ採用▽RCスラブを蓄熱層に利用▽木材や珪藻土仕上げ採用――により調湿に優れ、年間を通じて床表面温度23℃程度に保たれた機械に頼らない室環境を実現すると提案。イニシャルコストは、建築5億5000万円、電気設備7000万円、機械設備9000万円、植栽を含む外構8800万円で、総額7億9800万円を試算している。
三井所清典審査委員長(=芝浦工業大学名誉教授)の講評では、同JVの提案に対し「さまざまな生活シーンを人物の活動を絵で表現した発表はわかりやすかった。午前からよく日が当たる明るくまとまった園庭の考えと幼・保を一体にする遊戯室に対する考え、乳幼児の生活に対する細やかなイメージの提示に優れているが、管理室からの園庭の見透しに対する考えは問題」とした。その後、管理室については、町の要望に応えることを同JVに確認している。
今後は年内に設計を仕上げ、15年3月に着工し16年1月竣工、16年4月のオープンを予定。
建設地は清地1777−2ほかの7232・16u。