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建通新聞社
2014/02/12

【大阪】粘り強い構造対策16`必要 南海トラフ

大阪府の南海トラフ巨大地震土木構造物耐震対策検討部会の第7回会合が2月5日に開かれ、泉州海岸の防潮堤延長約16`について、粘り強い構造対策が必要であるとされた。府港湾局は、泉州海岸の対策費に約450億円を概算。液状化対策と併せて、粘り強い構造対策を実施する方針。2014年度には最優先地区として堺旧港や泉大津地区などの設計を進め、15年度の工事発注を目指す。
 粘り強い構造対策が必要とされた区間は、泉州海岸(堺市〜岬町)の防潮堤全長73`中16・05`。液状化対策は21・9`。うち堺市から貝塚市までの堺旧港や泉大津地区など延長12`分については、液状化対策と併せて最優先で実施する。
 対象は松屋三宝、堺新港、堺旧港、高石漁港、高石南、助松、大津北、泉大津、大津南、忠岡岸和田、岸和田漁港、岸和田、貝塚の13地区。
 また、粘り強い対策だけ実施するのは、泉南市の岡田漁港、岬町の小島漁港、長松、名浦、谷川東の5地区延長3・6`。うち岡田漁港、小島漁港の2地区1・6`は、津波による浸水深が1bを超えるとされ、他の3地区2`では、波返し部材のせん断耐力不足が指摘された。
 対策方法は、鋼矢板・杭打設(堤体転倒リスク低減、堤体の変形抑制)、水たたき一体化(流掘の防止、吸出の抑制)、腹付コンクリート(部材耐力の向上)を基本に検討する。
 14年度については工事費9億5000万円(府費)を計上するが、これは従来の高潮対策(堺旧港の防潮堤改良工事、岸和田水門機能改善工事)に充てる。南海トラフ巨大地震に備えた液状化対策と粘り強い構造対策分には3億6000万円(補正予算)を計上し、延長約20`分の検討を進める。
 対策検討は浜寺(液状化のみ)、堺旧港(液状化、粘り強い対策)、泉大津(〃)の3地区の設計を最優先で進め、16年度の工事発注を目指す。
 粘り強い構造対策は、越流した津波により、短時間で堤体が倒壊することを防ぐのが目的。