日本工業経済新聞社(群馬)
2014/02/07
【群馬】寺尾藤岡バイパス 早期着工目指し調整進む
高崎市と藤岡市とを結ぶ寺尾藤岡線のバイパス整備で、県藤岡土木事務所は早期着工を目指し、県庁内で調整を進めている。当初は本年度渇水期の着工を予定していたが、用地交渉が難航したため、未だに着工できずにいる。県は今後も用地交渉を続けていくが、先行して事業のメーンとなる長大橋の建設に着手する方針を示している。同事務所の担当者は着工時期について「現在は発注に向けた調整を進めている」と述べるに止めた。
65億円の事業費を見込む大型事業も、着工目前で足踏み状態が続く。同事務所によると、当初は本年度から一部区間に着工する方針でいたものの、2月時点でいまだ未着工。一部地権者との交渉継続が遅れている理由だという。
交渉が難航しているのは、始めに手を付ける新鏑川橋の建設にはかからない用地だが、県ではまずは全体的に用地買収のめどを付けようと交渉してきた。だが、交渉に時間がかかり、事業の進捗に影響が出る可能性が出てきたため、県は橋の建設など一部を先行して整備していく方針を固めた。事業は八幡京ヶ島線から中上大塚線までの約2700mにわたるバイパスを整備するもの。中でも橋長431m(全幅15・3m)の長大橋「新鏑川橋」の建設は大きな目玉だ。高崎、藤岡両土木事務所が所管しており、このうち橋の建設を含むL約700m区間を藤岡土木事務所が担当する。
新鏑川橋は森新田地内を流れる一級河川鏑川に架設する橋で、6径間と3径間を合わせた9径間の連続少数鈑桁橋。橋台は逆T式で場所打ちの杭基礎。杭はA1、A2ともにφ2mで、A1はL6・5mを6本、A2はL8mを6本使う。橋脚はP1〜P6が直接基礎型ケーソン基礎、P7とP8は直接基礎。
橋梁の設計は三井共同建設コンサルタント(北関東事務所、さいたま市)が手がけた。
事業期間は2011年度から20年度までの10年間。事業化時の概算事業費は65億4000万円で、うち藤岡土木事務所分は37億4300万円を試算している。11年度に予備設計、12、13年度に詳細設計や用地買収に着手し、本年度に橋の下部工など一部着工を見込んでいた。