建通新聞社(神奈川)
2014/01/31
【神奈川】神奈川県県土整備局の総合評価(工事) 技術点1位の企業落札が9割
神奈川県県土整備局は、総合評価方式を導入した一般競争入札(工事)について、13年度(12月末まで)の実施状況と落札傾向についてまとめ、総合評価審査委員会に示した。技術点1位の企業が落札する割合は9割。技術点の高い会社は過度な値引きをせずに入札を行う傾向にあるとした。
工事で13年度(12月末まで)の総合評価方式による一般競争入札は68件(標準型1件・WTO対象、簡易型12件、特別簡易型55件)。このうち特別簡易型の4件が不調・中止。簡易型の対象工事は1億円の周辺に分布し、特別簡易型は設計金額の低い範囲に多くが集まっている。「1億円を超えている特別簡易型の10件は、施工計画に関する技術的所見を求めることを要さない程度の内容のため、特別簡易型を選択した」とする。
68件のうち、「有効入札1者−10件」「不調・中止−4件」「入札進行中8件」を除く46件の落札結果を見ると、技術点1位の企業が落札する割合が90%。内訳は「入札最安で技術点1位」が15件、入札金額に対する「逆転落札」が26件あった。12年度の技術点1位の企業が落札する割合は93%だった。
技術点と入札金額の比較では、46件のうち入札価格が最安札だったのは18件。2番札が13件で、これ以下は5番札が5件と多い。最安札の企業が落札した割合は39%。12年度も43%で、毎年4割程度にとどまっている。
逆転落札は技術点1位以外でも1件あり、合計27件。逆転落札の金額差(落札額−最安入札額、税抜き)は、5万〜10万円が8件で最も多い。12年度では1万円までが最も多かったのに対し、逆転の価格幅が大きくなっている。
これらを総合し、同局では、「現在、積算歩掛り、設計単価、諸条件などは公表されており、ほとんどの企業は設計金額を正確に算出できる状況。技術力の高い企業は、技術評価点による競争で評価値に余裕があるので、過度な値引きせず入札を行う傾向にある」と分析する。
12月末までの総合評価方式の落札結果で、評価における加点傾向を見ると、「過去の同種工事の施工実績」により加点されている有効入札が61・2%。この他項目の加点割合は、▽「過去3年間の工事成績評点の平均点」65%▽「過去10年間の優良工事等表彰の受賞実績」65・9%▽「ISO9001の認証取得」52・7%▽「配置予定技術者の過去の同種工事の施工実績」45・7%▽「配置予定技術者の過去3年間の工事成績評定実績」44・6%▽「配置予定技術者の取得資格」88・4%▽「企業の災害時等の地域貢献」77・5%▽「建設労働災害防止協会への加入」96・1%。
13年度から試行している「地域精通度」では、有効入札の50%で加点。落札者に限ると88・9%と高い割合となっている。同じく試行の「若手技術者育成実績」では有効入札の5・3%、「登録基幹技能者の配置」は18%の割合。