静岡県は、2014年度〜17年度の4年間で「総量適正化」、「長寿命化」を柱に取り組みを本格化させるファシリティマネジメント(FM)の実施方針をまとめた。このうち、「長寿命化」では維持保全計画、点検、修繕・改修を連携して取り組むための方向性を示す長寿命化指針を作成するとともに、FMの視点で公共建築物保全マニュアルを改訂する。基準類の整備に当たって県では14年度に骨子を検討し、15年度に指針の策定、マニュアルの改訂を15年度〜16年度で行う予定だ。
FMの取り組みでは、これまでも行っている県有施設の「量の見直し」を進める。長寿命化指針は、残す施設について構造、規模、用途、利用状況、劣化診断結果などのデータを基に期待耐用年数を設定。部位・部材の修繕周期など目標を示すための取り組みの方向性を定める。
実施方針では今後の取り組みとして、人口減少に対応した県有施設の総量適正化で@施設アセスメントの実施と結果のデータベース化A売却を促進するため、建物付売却手法などの検討・実施B空きスペースの活用−を示した。また、県有施設の長寿命化では、@長寿命化のための基準類の整備(長寿命化指針の作成、公共建築物保全マニュアルの改訂)A意見書制度の検討、導入B劣化診断対象施設の拡充−などを盛り込んだ。
二つの柱の他、主な取り組みとして維持管理経費最適化、有効活用、環境整備を盛り込んだ。施設の有効活用では、行政財産の余裕床の貸し付け拡大として15年度をめどに本庁舎へのコンビニ導入を検討している。また、環境整備では「公有施設の老朽化にどう対処していくのか」など、県内の市町と一緒に行政課題を検討する(仮称)行政経営研究会FM研究部会を、14年度中に設置することとした。
(2014/1/31)
建通新聞社 静岡支社