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建通新聞社(神奈川)
2014/01/29

【神奈川】川崎市 中小企業振興基本条例の導入検討を開始

 川崎市は、中小企業振興基本条例の制定に向けた検討を始める。2014年度から、既に条例を制定している横浜市など周辺自治体の実施状況の調査を始める方針だ。市ではこれまで、同条例は導入しない方針だったが、13年11月に川崎市長に就任した福田紀彦市長は建通新聞の単独インタビューに答え、条例の制定に前向きな姿勢を示した。
 中小企業振興条例は、地元地域の中小企業の振興と育成を目的に、受注機会の拡大や補助制度の充実など、事業全般について必要な支援を実施するように努める制度。神奈川県内では、まず県が中小企業活性化推進条例を08年度に制定。次いで横浜市が09年度に、横須賀市が12年度に制定。4月から相模原市でも施行予定で、各自治体に順次広まっている。
 条例の制定が決まった場合、条例に盛り込む内容が鍵となる。横浜市の条例では、市の工事発注や物品の調達などの受注機会の拡大や、指定管理者などの選定で市内中小企業者の参入機会の増大に努めることなどが規定されている。
 この規定に基づき、設計段階での分離・分割発注や技術修得型共同企業体への発注の検討を義務付けることの徹底や、12年11月から、小規模な工事での市内中小企業限定入札を新たに実施した。横浜市がまとめた「平成24年度中小企業振興基本条例による取り組み状況報告書」によると、12年度の市内企業への発注割合は随意契約を除き、件数べースで約81%、金額ベースで約79%。このうち市内中小企業者への発注割合は、それぞれ約75%、約63%となっている。
 川崎市の担当者は「具体的な検討はまだ進んでおらず、制定の可否も含めてこれから調査する」としているが、検討に向けて一歩踏み出した。