建通新聞社
2014/01/22
【大阪】14年度から基盤整備本格化 天王寺公園
大阪市は、天王寺動植物公園の魅力向上に向け、2014年度から基盤整備を本格化する方針。新年度予算に事業費4億8100万円を盛り込み、建設局がエントランスエリアや慶沢園の整備、経済戦略局が市立美術館の改修に取り組む。また、エントランスエリアの管理・運営に民間活力を導入するため、1月16日付で事業者の募集を開始。応募書類を3月25、26日に受け付ける。
天王寺動植物公園は、阿倍野歩道橋やあべのハルカスのグランドオープンで注目される天王寺・阿倍野地区に位置。大阪の都市魅力の創造・発信元年とする15年のシンボルイヤーに向け、同地区の核施設としてエントランスエリアを中心に基盤施設や管理・運営方法を一新する。
エントランスエリアは、天王寺ターミナルに近接し、動物園や市立美術館に至る公園の玄関口。面積は約2・8f。市が担当する同エリアの基盤整備は14〜15年度の2カ年を予定。初年度の工事費に1億7300万円を見込む。
基盤整備の設計は12年度にリアライズ造園設計事務所(大阪市中央区)で作成済みだが、担当者は、「民間事業者の提案で変わる可能性もある」としている。
民間事業者については、飲食・物販店舗の建設・運営やイベントの企画・実施を担当。メーンゲートと天王寺ターミナルのにぎわいを連続させ、さらに動物園と美術館への期待を高める多目的な空間活用を目指す。
事業予定者は8月に決定し、15年4月から民間事業者による施設整備を開始。同年10月から管理・運営をスタートする。
同公園の改善検討は電通(大阪市北区)が担当した。
他の基盤整備については、トイレの建て替えと改修・美装化に1億1700万円、慶沢園の整備に9100万円、動物園内の広場整備に2900万円、連絡ゲートの整備に1000万円の事業費を算定。
市立美術館は、本館を耐震改修した上で、レストランなどのサービス部門を兼ね備えた新棟「サービスWING」を建設する。
14年度に基本計画の調査検討、15年度に基本設計、16〜17年度に実施設計・施工を予定。近代美術館(中之島に計画中の新美術館)と市立東洋陶磁美術館(既存)とともに、3館体制として一体的な運用を目指す。
事業費は市立美術館本館の耐震改修に65億円、本館の横に建設するサービスWINGに21億円を概算。今後の工事発注では、設計・施工(デザイン・ビルド)コンペ方式を想定する。