静岡県は、2030年度を目標年次とする新たな県生活排水処理長期計画案をまとめた。新計画では、「整備」「維持管理」「経営」「安全・安心」の基本方針に対応した8つの指標と目標値を示すことで、内容を分かりやすく「見える化」した。計画案については、26日までパブリックコメントを募集している。
目標年度は、10年度を基準年度として、10年後の20年度を中期目標、20年後の30年度を長期目標として設定した。また、5年後の15年度を中間目標年度とし、進行状況を点検し、10年後に必要に応じて方針、施策等の見直しを行う。
計画案では、基本方針として掲げた@整備A維持管理B経営C安全・安心−のそれぞれについて二つの指標を設けて、数値化できる項目を設定した。これまでは生活排水処理施設整備率のみだったが、「整備」の指標として各計画に対し処理施設を使える人口の割合(目標値87%)、単独浄化槽から合併処理浄化槽に転換した割合(同78%)を示し、目標を掲げたことで県全体として事業を推進する。また、維持管理に係る指標では、処理施設を運営する費用が低減された割合(同100%)、合併処理浄化槽を適正に検査している割合(同50%)。安心・安全に係る指標では、重要な幹線などと位置づけられた管渠施設の耐震化が行われた割合(同100%)、汚泥をリサイクルしている割合(同100%)を設定した。
目標を達成するための具体的施策としては、効率的な合併処理浄化槽整備手法、人口集積地区の重点的整備の促進、官民連携事業(PFI、PPP)の導入、下水道以外の汚水処理関係施設との連携整備事業などを盛り込んでいる。この他、施設の老朽化対策では予防保全型維持管理計画の策定と実施、地震・津波対策では施設の耐震化、BCPの作成、津波対策を示した。
県では、県民意見を募集した後、本年度内に計画を策定する。
(2014/1/20)
建通新聞社 静岡支社