建通新聞社
2014/01/17
【大阪】あべの筋拡幅 夏までに軌道移設工事発注
大阪市は、あべのハルカス西側の近鉄前交差点〜阿倍野交差点までのあべの筋を拡幅する計画で、2014年度中に阪堺電気軌道上町線の軌道移設を終え、15年度末までに全拡幅を完了させる考えだ。また、阿倍野区役所では、軌道内を芝生化するため14年度に設計を作成し、15年度での芝生化を目指す。
拡幅区間の延長は約600b。幅員24bの現道を西側に広げ、幅員40b道路にする。幅員は両側歩道が各5・5b、車道部(阪堺軌道部含む)が29b。本年度から西側の車歩道整備に着手しており、これまでに歩道部(キューズモール側)の拡幅を完了。現在、車道部2車線分の整備を進めており、3月末までに完成させる。場所は大阪市阿倍野区。
14年度は阪堺軌道を道路中央部に移設する予定。工事発注は阪堺電気軌道が行う。担当者は、「夏ごろには現場に入りたい」としており、今夏までの発注が見込まれる。
ただ、発注に向けては、許認可手続きや設計、関係機関との調整のほか、水道、電気、ガスなど道路下の埋設工事の進捗状況の見極めも必要になるとしており、遅れる可能性もある。
軌道移設後、15年度には、西側の車道部1車線と東側の車歩道整備(車道3車線)を行い、同年度末までに完成させるスケジュールを組んでいる。
拡幅に併せて、阿倍野区役所では地域からの提案を基に、軌道敷を芝生化する計画。キューズモールやハルカスなど周辺で大型商業施設のオープンが相次いでおり、この機に、阿倍野を訪れる観光客へ新たな大阪の名所としてアピールする狙いがある。
14年度当初予算には、軌道敷の芝生化設計委託費として862万円を盛り込み、都市景観、回遊性の向上に向けた検討・調査などを一括して設計をまとめる。芝生化工事は15年度の予定。工事費に7659万円を見込んでいる。
芝生化の設計、工事については阪堺電気軌道で実施する軌道移設工事に含めて実施してもらえるように調整中。
担当者は「芝生化はまちの魅力向上だけでなく、ヒートアイランド減少の緩和にもつながる」としている。
長期に及んだ阿倍野再開発事業があべの筋拡幅を最後に収束する。