建通新聞社(神奈川)
2014/01/16
【神奈川】東京商工リサーチ横浜支店 2013年の神奈川県内倒産586件 7年ぶりに600件を下回る 建設業の倒産も13%減
東京商工リサーチ横浜支店の調べによると、神奈川県の2013年1年間の倒産件数(負債総額1000万円以上)は586件で、7年ぶりに600件を下回った。12年に比べ12・7%の減。負債総額は721億6100万円で、24・7%の減となった。建設業の倒産は175件で13・4%の減。不動産業は20件で、31・0%の大幅減となった。
県内の倒産件数586件は、12年の671件に比べ85件の減少。負債総額は236億4400万円の減少。1年間の倒産件数が600件を下回るのは、06年以来。負債総額は平成に入って3番目の低さとなった。
3月末で期限終了した金融円滑化法の影響が懸念されたが、実質的に継続に近い対応を金融機関が取ったことで中小企業の資金面に恩恵を与えたと見ている。政府の経済政策も功を奏した形だ。しかし、増税後は駆け込み需要の反動が見込まれ、景気回復と見た金融機関の支援施設の変化も可能性があり、予断を許さない。
業種別に見ると、最も件数が多かったのは建設業で175件。構成比で29・9%と、全体の約3割を占めた。しかし、12年の202件に比べると13・4%の減少。負債総額は193億1800万円で、12年の205億7700万円に比べ6・1%の減。不動産業は20件で、12年の29件に比べ31・0%の減。増税前の駆け込み需要や、景気回復による市況回復が好影響した。しかし、負債総額は47億6200万円で、12年度の24億5300万円に比べ94・1%の大幅増となった。業種別に唯一増加したのは金融・保険業だが、件数自体が少なく、大きな要因は確認されたなかった。
原因別では、「不況型倒産」が83・3%と、依然高水準。販売不振が倒産の主な要因となっている。負債総額別には、「5000万円未満」が最も多く313件で構成比53・4%。10億円以上の大型倒産は11件発生したが、12年に比べると1件の減となった。資本金別には、「500万円未満」が247件で最も多く、構成比42・2%。「1000万円以上5000万円未満」が244件で構成比41・6%。従業員数別には、「5人未満」が391件で最も多いが、12年と比べ86件減少した。業歴別には、「30年以上」が148件で最も多く、業歴が古いほど倒産件数が多い傾向にある。
地域別に見ると、横浜市が272件で最も多く、構成比46・4%。次いで、川崎市が86件・構成比14・7%、相模原市が46件・構成比7・8%。ただし、いずれの都市も12年を下回る水準にある。件数が12年を上回った地域は、横須賀市、鎌倉市、厚木市、伊勢原市、綾瀬市、三浦郡、高座郡、足柄上郡−の8地域。特に伊勢原市は12年の3件が6件に倍増した。