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日本工業経済新聞社(群馬)
2014/01/16

【群馬】県農村整備課の新年度県営事業新規採択は7地区

 県農村整備課は2014年度、7地区で県営事業の新規採択を見込んでいることを明らかにした。大規模なほ場整備などはなく、既存ストックの維持補修、長寿命化を図る事業が多いのが特徴で、時代の流れが反映されているとも言えそうだ。いずれの地区においても新年度から実施設計などに着手していく。

 新規採択を見込んでいるのは◇前橋北部地区◇大正用水2期地区(農業基盤整備促進事業)◇頭沼地区◇赤谷川沿岸2期地区◇中之条地区◇大正用水2期地区((農山)水利施設整備事業(基幹水利施設保全型))◇赤城大沼用水2期地区−の7地区。
 前橋北部地区のかんがい用水管路は、1969〜70年度に築造された石綿管を含んでおり、近年では老朽化などに伴う漏水補修が頻繁に行われている。管の破損などで石綿に起因することにより、農業者などの健康被害が懸念されることから、L3・2qにわたってφ150〜500oのVU・VP・VM管に布設替えし、農業者の健康被害の未然防止や農業生産の安定を図る。全体事業費には4億1000万円を見込んでおり、2018年度の事業完了を目指す。
 大正用水2期地区(農業基盤整備促進事業)は、水路が赤城山麓の丘陵地域を通過していることから、集中豪雨時に水路左岸の山側畑などからの雨水流入により、土羽法面の浸食が発生している。また、それを起因とした法面崩落により水路が閉塞し、通水不能による営農への影響が懸念されている。溢水による周辺地域への災害も危惧されていることから、L2・6qの用水路整備、A1・3haの法面保護工、8カ所の沈砂池拝砂門補修工などを行う。事業期間は18年度まで、総事業費は2億5700万円を見込んでいる。
 頭沼地区では、住宅開発などによる雨水の流出増加や既設土水路の法面崩壊などに伴う排水機能の低下により農地などへの湛水被害が発生している。このため、L0・7q、W1・6m、H1・2mの排水路を整備し、農業経営の安定化を図る。16年度までの3カ年計画で、総事業費は1億3000万円を想定している。
 残る4地区での事業は、既存ストックの維持補修・長寿命化を図るものとなる。赤谷川沿岸2期地区の施設は、1960年に造成されたもので、機能診断により施設の老朽化や損傷状況が確認されたことから、2010〜12年度に1期対策事業として頭首工補強や水管橋塗装工事を実施している。現在も隧道内のひび割れといった劣化が進行しており、致命的な劣化に至る恐れもあることから、2期対策事業として1号隧道内巻補強工L113m、2号隧道内巻補強工L25mを実施する。16年度までの3カ年で計画しており、総事業費は9800万円を試算している。
 中之条地区では、1974〜83年に整備された農道の経年劣化が進んでおり、舗装の破損により通作に支障を来している。橋梁も現在の耐震基準を満たしていないことから、農道機能の保全や施設の長寿命化を図るため、L3・4qの舗装補修、橋梁1橋の補修を行うとともに2カ所の横断工補修も実施する。事業期間は16年度までの3カ年、総事業費は2億4800万円を見込んでいる。
 大正用水2期地区((農山)水利施設整備事業(基幹水利施設保全型))は、施設改修後およそ40年が経過し老朽化が著しい状況となっている。幹線水路総延長L23・9qのうち平板ブロック開水路区間L1・4qで摩耗や欠損があり、また新田西側水路橋および新田東側水路橋の桁にクラックが発生し漏水が起こっていることから、それぞれ保全対策工を施す。事業期間は18年度までの5カ年、総事業費は5億1400万円を試算している。
 赤城大沼用水2期地区では、完成時の1957年から開水路の空石積水路が更新されていない。水路が急勾配であるため、水路敷の劣化が激しく石積みの欠損や崩落が発生している。こうしたことから2011〜12年度に1期事業として、損壊が目立つ空石積水路区間L1・0qの補修・補強工事を実施。2期事業として、近隣住民から漏水の苦情が寄せられ損壊が目立つL1・1qを対象に同様の補修・補強工事を行っていく。事業期間は16年度までの3カ年、総事業費については1億300万円を見込んでいる。