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建通新聞社(静岡)
2014/01/15

【静岡】静岡県内の建設業死亡労災が過去最少を記録

 静岡県内の建設業死亡労働災害が過去最少を記録した。静岡労働局がまとめた建設業死亡労働災害発生状況(暫定値)によると、2013年暦年累計は5件となり、これまで最も発生が少なかった05年から8年ぶりに更新した。また、件数では05年の10件と比べて半減した。
 13年は、11月末時点まで5月、8月、11月に各1件の計3件が発生し、過去最少となることがほぼ確実となった。静岡労基局では、年末年始に向けて現場パトロールなどを行い、労働災害防止対策を訴えた。年末を迎えた12月には「墜落、転落」1件、また、4月の1件が追加され累計が5件となった。
 事故の型別では、「墜落、転落」が2件、「はさまれ、巻き込まれ」、「飛来、落下」、「激突され」がそれぞれ1件発生。年齢別では、60歳以上が4件で80%を占め、50〜59歳が1件となり、高齢者の災害が目立った。現場規模は全て10人未満の小規模現場で、土木が4件、建築は1件だった。
 12月の災害は、静岡署管内の下水道工事で発生した。状況は、下水道工事の仮設電源設置のため、被災者が電線から電気の引込み線取付け作業を高さ7〜8bの電柱上で行っていたところ地面に墜落した。
 追加された4月の災害は、浜松署管内の解体工事で発生した。状況は、木造家屋の解体工事現場で、解体用つかみ機を使い、ダンプからバックホウのバケットを降ろす作業を行っていたところ、運転者の作業服がレバーに掛り、不意に機械が旋回してしまい、ダンプの荷台で補助作業をしていた被災者の腹部に当った。
 静岡労働局労働基準部 遠藤浩二健康安全課長のコメント
 死亡災害が減少することは喜ばしいこととですが、13年の休業4日以上の死傷者数は12年に比べ増加傾向で推移し、2年連続の増加が懸念され、また、第12次労働災害防止推進計画で建設業の最重点課題としている墜落・転落災害は一昨年に比べ25%増加しており、楽観は許されない状況にあります。
 労働災害を防止するためには、事前にリスクアセスメントなどの結果も踏まえ適切な作業計画の策定することが重要であり、その徹底をお願いしたい。
 また、建設業では毎朝の危険予知活動は定着していますが、さらに一人KYの実施などにも積極的に取り組んでいただくようお願いします。

(2014/1/15)

建通新聞社 静岡支社