建通新聞社(神奈川)
2014/01/14
【神奈川】神奈川県 次期線引き見直し基準策定 集約型都市構造化、広域化など 15年度中心に都市計画決定
神奈川県は、次期(第7回)の線引き見直しに向けて、基本的な考えや見直しの基準を定めた。2025年の県内人口を、おおむね897万人に想定(10年の国勢調査では約904万人)し、集約型都市構造化を進める。その際、「都市計画区域の整備、開発区域の整備、開発及び保全方針」(整開保)の広域化により、県が調整役として方向性を示し、広域的な課題を解消する。また、津波防災への対応を区域の方針として示す。この見直し基準に沿って県下の市町(政令市を除く)は、都市計画素案の作成に着手。14年度に素案をまとめ、15年度を中心に各地域の線引き見直しを都市計画決定する。政令市も同様の作業を行っており、県内全域でほぼ同時期に線引き見直しが実施される。計画の年度目標は25年度。
線引き制度は、おおむね10年後の将来予測の下、都市計画区域について整開保などを都市計画に定めるとともに、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に区分する。県は、1970年に最初の線引きを行い、2010年までに6回の見直しを行っている。
県内人口は、少子化の進行などにより、19年をピークに減少に転じることが予想されている。また、高齢化問題、地震・津波対策など、社会情勢が変化しているため、これに対応して、第7回の線引き見直しを行う考え。
第7回線引き見直しの重点的取り組みは、@集約型都市構造化への備え(拠点と方向性の提示)A整開保の広域化B津波対策への対応Cインターチェンジ(IC)周辺幹線道路などでの産業系市街化整備の推進(第6回見直しからの継続)。
これらを踏まえた「市街化区域への即時編入」は、既決定の市街化区域に接する区域で、@国勢調査での人口集中地域A道路整備などで区域決定境界の地形などが変更された区域−などに限定。「優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域(新市街地)」は、@市町村マスタープランで必要性が位置付けられているA区画整理などで市街地整備が確実B駅など拠点施設周辺、IC周辺幹線道路沿道C10f以上の集団的優良農地を含まない−などが要件。
「既決定の市街化区域に接しない区域を市街化区域に編入」する場合は、@50f以上の区画整理等開発行為A20f以上で、IC、新駅、大学などと一体的な開発が行われる−などが要件。
「市街化区域への編入を保留(保留フレーム方式)」は、@市町村マスタープランで必要性が位置付けられているAIC周辺幹線道路沿道−などが要件。保留区域から市街化区域への編入は、区画整理事業などの見通しが明らかになった場合。