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建通新聞社四国
2014/01/10

【高知】南海トラフ地震対策に30億円

 高知県水産振興部の2014年度当初予算見積もりは、一般会計で44億6877万円(対前年度比39・3%増)となっている。このうち公共事業には29億9122万円(同56・4%増)を要望しており、防災拠点漁港の岸壁の強化や防波堤などを粘り強い構造とするための補強工事の実施など、南海トラフ地震の防災・減災対策や、発災後の対応に必要な施策を加速化する。
 主な事業のうち、広域水産物供給基盤整備事業費には10億1364万円。復旧・復興の拠点となる室戸岬、安芸、宇佐、佐賀、清水、沖の島、田ノ浦の7漁港で、緊急物資の輸送・復興の拠点としての岸壁の耐震強化や、津波からの避難時間の確保と被害を軽減するための防波堤強化を重点的に進める。佐賀漁港では、カツオ一本釣り用活餌供給基地として安定した活餌を供給するため、蓄養場所の浚渫も実施する。
 地域水産物供給基盤整備事業には8億4465万円。水産物の生産・流通の拠点である野根、春野ほか市町村管理5漁港で、施設整備を促進するとともに、市町村管理漁港における施設の機能強化、機能保全、長寿命化対策を促進する。
 水産基盤ストックマネジメント事業費には2億9314万円。三津、赤岡、宇佐、浦分、上ノ加江、佐賀、田野浦、沖の島の8漁港で、施設の機能保全と長寿命化対策を促進する。
 漁港漁場機能高度化事業費には1億1480万円。羽根漁港と橘浦漁港で、漁港施設の整備と避難路や避難広場などの整備を一体的に行い、安心・安全で豊かな漁村の再生を推進する。
 漁業集落環境整備事業費には3億3635万円。津波により甚大な被害が予想される竜、井尻、宇佐、上ノ加江、佐賀、周防形の6漁村で、津波から速やかに逃れられるよう、地域が作成した地域避難計画と連携した避難路や避難広場などの整備を加速化する。
 広域漁場整備事業費には3億1954万円。カツオやマグロ類などの回遊性魚類の漁獲向上を目的とした浮漁礁(土佐黒潮牧場)のうち、更新時期を迎える足摺岬沖6号を更新する。
 また南海トラフ地震対策の新規事業として、2次被害を防止するため、漁業用屋外燃油タンクの減災・防災対策を推進する。屋外燃油タンク4基を撤去し、うち2カ所で地下化に向けた整備などを実施する事業費に4644万円、燃油タンクからタンクローリー車方式への移行のため、5カ所で船舶給油施設の整備を実施する事業費に1444万円を要望している。