日本工業経済新聞社(茨城)
2013/12/28
常陽地域研究センターが県内10大ニュース
常陽地域研究センター(水戸市桜川)は、ことしの県内経済10大ニュースをまとめた。県や経済団体、国の出先機関、金融機関、企業からなる県経済検討会が20日に開かれ、その意見をもとに集約。ことしは、県内基準地価が5年ぶりに9地点で上昇したほか、上半期の工場立地動向で立地件数が全国1位になるなど、明るい話題が取り上げられている。
県内経済10大ニュースの内容は次のとおり。
【国内経済に影響したアベノミクス】
安倍政権による「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」の「三本の矢」(いわゆるアベノミクス)への期待感から、国内の景況感は改善し、資産効果による個人消費の増加や、経済政策による公共工事の増加を背景に、実体面も徐々に回復してきた。
【県内基準地価が5年ぶりに9地点で上昇】
県内基準地価は、全用途で前年と比べ下溶したものの、林地以外(住宅地、宅地見込地、商業地、王業地)で下落幅が縮小した。また、住宅地はつくは市の6地点と守谷市の2地点、商業地はつくは市の1地点で、ともに5年振りに基準地価が上昇した。
【上半期の工場立地動向立地件数は全国1位】
13年1〜6月の県内工場立地件数は56件(前年同期比3・7倍)で全国第1位、立地面積は148ha(同2・3倍)で全国5位となった。そのうち32件、103haを太陽光発電事業などの電気業が占めており、再生可能エネルギー固定価格買取制度が大きく影響したとみられる。電気業以外の立地件数(24件)は全国3位、立地面積(45ha)は全国1位となった。
【筑波研究学園都市50周年】
筑彼研究学園都市の建設の閣議了解から、9月で50周年を迎えた。つくば市は国際戦略総合特区として、次世代がん治療や生活支援ロボット、バイオマスエネルギー等の開発・実用化が進められており、新たな産学連携拠点として注目を集めている。
【開港4年目の茨城空港】
茨城空港は7月に、昨年就航した那覇便を延長し、那覇経由で宮古島、石垣島に向かう「茨城−宮古便」「茨城−石垣便」を就航した。12月には神戸便を延長し、「茨城−米子便」を就航した。14年2月にはミャンマーへのチャーター便が5往復運航される予定。開港4年目を迎え、新航路の開拓に向けた取組みが進められている。
【「なめんなよ、いぱらき県」で茨城をアピール】
ブラント総合研究所の「地域ブランド調査」によると、茨城県は過去5回の魅力度ランキングで、13年を含め4度最下位となっている。同調査の結果を逆手に取り、県は「なめんなよ、いばらき県」をスローガンにPR活動を実施し、話題を集めた。
【風評被害からの着実な回復が続く】
GW期間(4/27〜5/6)の観光地・観光施設の入込客数は184万3000人と、対前年比27%増加した。海水浴場の入込客数(7/1〜8/21)は84万3000人と、同30%増加した。また水産業では、休漁が続いていた大津港、平潟港、川尻港のシラス漁が再開し、県北・県央で海水魚の出荷制限や生産自粛の解除が続いた。県内各地で、風評被害からの回復に向けた着実な動きが窺えた。
【ガールズ&パンツァ一効果が続く大洗】
大洗町では、同町が舞台となったアニメ「ガールズ&パンツァ一」を活用したまちおこしが続いている。ファンを対象としたイヘントや宿泊プランなどは、放映終了後も好評を博している。また、茨城県のイメージアップヘ貢献したと評価され、県の「いばらきイメーシアップ大賞2013」を受賞した。
【東京オリンピック開催決定】
2020年の夏季オリンピック・パラリンピックの東京開催が決定した。県内では、選手のキャンプ地としての需要や、会場建設に伴う建設業者への発注増に加え、2019年に開催される茨城国体との相乗効果も期待される。
【消費税率の引き上げ決定】
政府は14年4月から、消費税率を現在の5%から8%へ引き上げることを決定した。住宅は13年9月までの契約に引上げ前の税率が適用されるため、メーカーから9月末に契約が集中したとの声も聞かれた。14年は自動車や耐久消費財などの駆け込み需要が見込まれる一方、4月以降の反動減も懸念される。