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建通新聞社四国
2013/12/27

【高知】不調対策は「工事の平準化」が必要

 高知県が発注する土木工事の入札不調が相次いでいる。すでに年度当初からの不調・不落は200件を超えた。年明けもこの状況は続くとみられており、今後の対策が求められている。これについて、奥谷正土木部長は12月定例県議会で「県単独事業の早期発注や繰越制度を活用するなど発注の平準化が必要」と述べている。
 現在、不調となっている案件については、繰越明許をし、各社の技術者や14年度の入札契約制度の動向などを見ながら順次発注する予定。12年度3月補正予算で計上した案件は、減額補正をするか、財務省の判断次第となるが事故繰越をする可能性もある。
 入札不調については、技術者不足が主な要因とみられる。県では、ことし4月に国の補正予算の執行を見据え、請負対象金額250万円以上2500万円未満の工事について2013年度に限り現場代理人の兼務を認めているが、それでも技術者が不足している現状だ。県は、さらなる入札要件の緩和などの対策について、年度途中での適用は現時点で考えておらず、年度替わりでの入札制度変更に向けての準備を年明けから進める意向。
 積算価格については、資材は1カ月ごとに見直し適用しているが、労務単価は国が示す単価を1年間適用しており、実際の市場価格に見合っていないケースも見られている。この対策として県は、国が試行導入している「施工パッケージ型積算方式」の14年度からの導入を検討している。
 いずれにしても、ここまで毎年、疲弊していた建設産業界がアベノミクスの影響で発注量が急激に増加し、技術者や労務者、ダンプ、建設機械などの不足と資材の物価上昇があいまって発注官庁も建設業者も困惑している現状が浮き彫りになった形だ。