建通新聞社(岡山)
2013/12/25
【岡山】152カ所を整備 岡山沿岸海岸保全基本計画の改訂素案
岡山県は、17日に開いた県議会土木委員会で岡山沿岸海岸保全基本計画の改訂素案を示した。東日本大震災による想定を超える津波被害を受け、7月に県が南海トラフ巨大地震における浸水被害と被害想定を公表したことから、地震による液状化や津波被害に備え「海岸の防護」に主眼を置いて計画内容を見直すもの。
海岸保全施設を整備する区域は152区域(図参照)を設定。施設の高さは、南海トラフ巨大地震の津波シミュレーションでも現行計画の堤防高が高いため変更せず、地震・液状化には背後地の重要度などを考慮しながら必要に応じて対策を検討、国の基準に基づいて対策を推進。津波に対する粘り強い構造では海岸利用等の観点から施設天端高を低く抑える必要がある場合などにおいて、必要に応じて検討を進めていくという。今後の調査で、老朽化や地震・液状化対策の必要があると判断された海岸は整備箇所に加えるとしており、調査を実施する52区域に併せて示している。
県では改訂素案に対するパブリックコメントを実施しており、12月24日から2014年2月3日まで農林水産部水産課で意見を受け付ける。3月中旬に検討委員会の開催を予定しており、審議・策定を待って県の関係各課で整備を進めていくことになる。整備箇所一覧は 面参照。
イメージとしては、高さが足りない箇所は新たにパラペットを構築し波が当たる部分をコンクリート構造物で整備するほか無筋のパラペットの鉄筋化などを想定。地震や津波に対する強度を高めるため、構造物自体の液状化対策や耐震化などを進めていくという。当日の委員会では開口部など不連続箇所の確認徹底を求める意見や企業エリアの民有護岸などへの計画周知と防災対策促進の確認などが出ていた。