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建通新聞社
2013/12/24

【大阪】14年度末までに施設内容 石垣公開施設

大阪市経済戦略局は、大阪城本丸地下に眠る豊臣期の石垣を公開するための施設整備事業で、2014年度末までに実施設計を完了し、具体的な施設内容や整備スケジュールを示す方針。また、建設工事費を募金で賄うため、15年度末までの期限で募集中の「太閤なにわの夢募金」について、11月末現在で6000万円に達したことを明らかにした。
 14年度は実施設計を進めるほか、遺構調査を外注する。委託費については新年度当初予算編成で要望中の大阪城エリアの観光拠点化事業費9400万円の一部を充てる。
 施設や展示内容については現在、学識経験者らによる豊臣石垣保存公開検討会議で検討中。地下にある石垣を中心に見せながら、城内で発見された各遺構を展示する考え方や、来場者が地下から地上に移動するため、展示動線と展示構成物をどう配置するかなどの検討を進めている。
 13年度の遺構調査では、徳川期の石列・石組溝、瓦溜まり、戊辰戦争焼土、豊臣期の詰ノ丸石垣の上端、昭和初期の軍施設(車庫)の基礎が発見された。
 豊臣期の石垣は、1959年と84年の学術調査で本丸などの地下7・5bに野面積みの大きな石垣が良好な状態で残っていることが判明。大坂夏の陣から400年の節目の2015年に公開施設をオープンさせることになった。
 建設予定地は大阪城公園内(大阪市中央区)にある貯水池の南側で、旧帝国陸軍第四師団司令部庁舎の隣接地。
 実施設計は安井建築設計事務所(大阪市中央区)が担当。検討会議での整備方針を踏まえ、現在、公開施設の規模、内容などを検討している。
 募金は、目標金額の5億円まであと4億4000万円。担当者は、「寄付された方には住民税や所得税の軽減といった特典がある。大阪の魅力向上に力を貸してほしい」と協力を呼び掛けている。