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日本工業経済新聞社(茨城)
2013/12/14

【茨城】県農林水産部 15年度めどに機能診断 農業水利施設の長寿命化

 県農林水産部は、農業水利施設の長寿命化に向けて、「県営事業で造成した100ha以上の受益面積を持つ基幹的施設」のうち116カ所の機能診断を2015年度までに行った上で機能保全計画を策定する。この計画をもとに「基幹水利施設ストックマネジメント事業」をさらに進めていく方針だ。
 定例県議会で、西野一氏(自民)からの一般質問に柴田眞幸農林水産部長が答えた。
 県内には、用排水機場や樋門、水路など、約7700カ所の農業水利施設があるが、これらの施設は、国が定める標準耐用年数によると、堰や機場などでは、2015年度までに約5割が更新時期を迎える。
 今後、これらの施設を全面的に整備し直すとすれば、施設を新設する際とほぼ同等の事業費がかかり、地元負担を含め事業費の確保が困難となる。
 このため、県では土地改良5カ年計画で、機能劣化の状況に応じ、必要箇所に絞って補修更新を行う、いわゆる「長寿命化対策」を重要な柱の一つと位置付け、計画的に施設の維持保全を図っている。
 具体的には辰ノロ堰をはじめとする、機能が損なわれると影響の特に大きい「県営事業で造成した100ha以上の受益面積を持つ基幹的施設」の192カ所について、県が15年度までに、その60%にあたる116カ所の機能診断を行った上で、最適な補修方法や時期を定め、地元負担の平準化を図った「機能保全計画」を策定する。
 現在、この機能保全計画を順次、策定するとともに、この計画に基づき、「基幹水利施設ストックマネジメント事業」により長寿命化対策工事を進めている。今後も引き続き農業水利施設の長寿命化対策を進めることにより、安定的な生産基盤と魅力ある農村環境の維持・保全に努めていく。