建通新聞社四国
2013/12/13
【香川】県庁東館保存・耐震で検討会議を発足
香川県庁東館の保存・耐震化を検討する上で、建築有識者から東館の文化的価値などを意見聴取する「香川県庁舎東館保存・耐震化検討会議(会長・岡田恒男東京大学名誉教授)」が発足した。第1回会合が9日、県庁内で開かれ、建築家、丹下健三氏が設計した県庁舎東館の設計思想・意図などから建築・社会・歴史的価値などの文化的価値を探るとともに、東館の保存・耐震化に係る基本的な考え方や留意点を整理した。2014年1月20日開催予定の2回目の会合で最終的な報告書案を取りまとめる。
冒頭、浜田恵造県知事は「県庁舎東館のコンクリート劣化はさほど進んでおらず、防災拠点施設としても重要な施設。モダニズムと伝統的な木造建築表現が融合した建築物として高く評価されており、今後、保存と耐震化の方向で検討する」とあいさつした。
検討会議は岡田会長をはじめ、松隈洋京都工芸繊維大学教授、水本敏徳香川県建築士会会長、建築家の多田善昭氏、西村隆史香川県教育委員会理事、真鍋洋子アイル・パートナーズ会長、久保智司NHK高松放送局局長ら6人の委員で構成。
検討会議には東館の施設概要や建築面での特徴のほか、12年度に実施した東館躯体等基本調査として▽旧本館・基礎下免震、旧東館耐震補強▽旧本館、旧東館とも耐震補強▽旧本館、旧東館とも基礎下免震▽旧本館、旧東館とも柱頭免震―の4パターンの比較補強案などが技術参考情報として示された。
県庁舎東館(写真)は1955年12月に着工し58年5月に竣工。鉄筋コンクリート造8階建て延べ1万2772・04平方b(現在)。設計は丹下健三計画研究室、構造設計は坪井善勝研究室、建築主体の施工は大林組。2013年度当初予算に東館の耐震化検討経費を計上。県議会とも調整しつつ、保存・耐震化を検討する。