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建通新聞社(神奈川)
2013/12/12

【神奈川】神奈川県 神奈川東部方面線開業遅 「やむを得ない」 機構は速達性向上計画などの変更へ

 相模鉄道とJRの相互乗り入れで県央部と都心をつなぐ「神奈川東部方面線」(西谷−羽沢)の開業時期が、当初予定の2015年4月から3、4年程度遅れることについて、神奈川県は「変更はやむを得ない」との考えを示した。開催中の議会で意見を求めた後、横浜市の意向を確認した上で鉄道・運輸機構に回答する見通しだ。9日の県議会で、中谷一馬議員(民主党・かながわクラブ)の質問に、高村栄二県土整備局長が答えた。
 本年4月に、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が遅れの見通しを発表。県は、これに対し、事業変更の詳細な内容と再評価の説明を求めた。機構側は、JR貨物横浜羽沢駅の線路切り替えなどで、当初予定したより大幅に工事が増加したことなどを説明。また、10月には国の再評価が示され、「事業を継続することが妥当」とされた。
 県は、「可能な限りコスト、工期の縮減に努力したことを確認した」として、計画の変更を認める考え。鉄道・運輸機構は、県の意向を踏まえて、開業時期の遅延と建設費の増嵩に関する速達性向上計画などの変更手続きを実施する。変更手続きが完了後、JRと相模鉄道に東急電鉄を加えた3者は、この相鉄・JRの相互乗り入れと相鉄・東急の相互乗り入れを一体化し、総合的に進行管理していく。
 県は、「今後とも、機構にコスト縮減と工期短縮を強く求める。関係者間の連絡をこれまで以上に密にしていきたい」とした。
 神奈川東部方面線事業では、現在、西谷駅〜羽沢駅(仮称)間で工事を進めており、現在の進捗率は約60%。西谷駅では、副本線(1番線、4番線)を撤去し、開削工事に向けた仮土留め工を進めている。西谷トンネルはシールド機によりトンネル掘削中。羽沢駅(仮称)では開削工事中で、一部箇所ではホームコンクリートなどの施工を進めている。東海道貨物線接続部は設計を行っており、設計完了後、工事着手する予定。
 変更後のスケジュールでは、工事の完了は18年度末。19年度中の開通を目指す。建設費は約782億円(消費税5%ベース)を見込む。