建通新聞社
2013/12/10
【大阪】建コン協 詳細設計付工事は協会全体で議論
国土交通省近畿地方整備局と建設コンサルタンツ協会近畿支部(松本正毅支部長)との意見交換会が12月9日に大阪市内で開かれ、「若手技術者の育成」や「技術者表彰の拡大」などをテーマに議論した。また、同局の大西亘企画部長は「施工者側から、高度な技術を要する工事などの設計は詳細設計付で施工者に委ねてほしいとの意見が多いが、これに対してどう思うか」と質問。会員の意見が分かれたことから、松本支部長は「協会全体で話し合い、考えをまとめたい」と答えた。
若手技術者の育成について協会側は、「総合評価方式やプロポーザルでは技術者の実績が問われるため、高得点の技術者を配置せざるを得ず、実績のない若手を配置することが難しい」とし、若手技術者育成を目指した評価の改善(若手技術者登用枠、加点措置、年齢制限)を求めた。
これに対し同局は、「管理技術者は実績が重視されるが、担当技術者なら配置しやすいのではないか」と述べるとともに、「難易度の低い業務であっても何らかの実績は必要。どの程度の業務なら経験の少ない若手でも担えるのか、協会から提案してほしい」とした。
技術者表彰については、管理技術者・担当技術者だけでなく、照査技術者や発注者支援業務にも拡大するよう協会が要望。同局は「発注者支援業務では対象が少ないが、高い技術力を発揮した企業を表彰している」と説明。照査技術者の表彰は今後の検討課題とした。
大西部長から示された詳細設計付工事発注への考えとして、会員からは「施工者が設計した場合、ミスが見つからないまま工事が行われる恐れがある」との意見が出た一方で、「電線共同溝や橋梁の耐震補強など、設計段階では現場の状況を把握しきれない工事には適しているかもしれない」との声もあった。