北海道建設新聞社
2013/12/06
【北海道】伊藤組グループが歴史館を開設ー創業120周年記念し本社ビルに
伊藤組土建など4社からなる伊藤組グループは4日、本社を置く札幌市内の伊藤ビル8階に創業120周年を記念する伊藤組歴史館を開設した。初代の伊藤亀太郎氏をはじめ、2代目の豊次氏、3代目で名誉会長である義郎氏の功績を振り返るとともに、本道の開拓から未来につながる創業の理念を今に伝えている。
伊藤組グループの中核となる前身の伊藤組は、越後(現・新潟県)出身の宮大工、亀太郎氏が1893(明治26)年に創業した。ことし5月26日の創業記念日には満120周年を迎えている。
歴史館の出入り口正面には、亀太郎氏の座像が鎮座。初代と2代目、3代目の各コーナーをめぐって足跡や人柄に触れ、同社が手掛けてきた建築物の模型やパネル写真、年表から業績を目の当たりにできる歴史パノラマを展開している。
亀太郎氏のコーナーでは、愛用した墨つぼや曲尺などの大工道具、創業当時の印ばんてんなどを展示。屋号の菱小≠ノまつわる由来も紹介している。
館内には、職人が手作りしたお宮があるが、これは86(明治19)年に亀太郎氏の父である栄吉氏が函館の土木技師から依頼されたものだ。しかし栄吉氏は翌年他界。亀太郎氏が引き継いだものの多忙から中断。一時は所在不明となったが、2代目の豊次氏が1940(昭和15)年に親子3代に及ぶ53年の遺志を継ぎ完成させた。
伊藤家にとって最もゆかりある伊藤邸の変遷や義郎氏の娘、孫である4代目、5代目のプライベート写真も公開。展示品の貴重な品々は、邸内にある正倉院鳳凰堂を模した校倉造りの倉庫に保管されていた。
社業を支えた功績者である中島広治氏や大谷広次郎氏、田中銀次郎氏らの略歴も紹介している。
玉木勝美社長は「明治、大正、昭和、平成とつながる当社の歴史から本道建設業の歴史に思いをはせていただければ」と話している。
公開は招待者を中心に5日まで。その後は常設展示するが、来社時に希望があれば案内する。