建通新聞社四国
2013/12/06
【愛媛】学校施設の耐震化を優先
愛媛県は、今後の県有施設管理のあり方を示す県有財産管理の基本方針をまとめた。保有管理に向けた改修などの年次計画などは定められてなく、当面は学校施設の耐震化を最優先に実施する方針だが、緊急性が見込まれる施設については、学校耐震化期間中でも計画的に改修など保全措置に取り組む考え方も盛り込んでいる。また庁舎や警察施設など防災重要拠点施設や利用者の多い施設、著しく老朽化している施設など、改修などの優先度が高いと考えられる施設も参考としてまとめた(表参照)。
2013年3月31日現在、建物の県有財産は、庁舎・警察署などの公用財産が39万平方b、県立学校や県営住宅・公園などの公共用財産が125万平方b、公舎や職員住宅などの普通財産が10万平方bあり、合計約3200棟、174万平方b。このうち建築後30年以上経過したものが半数を超え老朽化が進んでいる。
基本方針では、機能維持や耐震性確保など今後、改修費用など大幅な財政負担が見込まれることから、従来の各部局や施設ごとの個別的な財産管理のあり方を見直し、県有財産を県全体で総合的に企画、管理、活用する部局横断的な取り組みに変更する。
施設の重要度、老朽度や耐震性の施設性能、利用者数や頻度などの利用状況、維持管理費などを考慮して施設ごとに評価し、今後の利活用の方向性として▽維持▽機能改善(耐震改修、大規模修繕、建て替え)▽転用・統廃合▽売却処分など−を検討する。
当面は県立学校を17年度、特別支援学校を15年度とする耐震化を最優先に実施する方針だが、財政状況を踏まえながら緊急性が見込まれる施設については、学校施設と平行して計画的に改修など保全措置に取り組む考え方も盛り込んでいる。
基本方針に基づき、庁舎や警察署などの防災重要拠点施設、延べ床面積5000平方b以上の施設、利用者数が年間10万人以上の施設を改修の優先度が高いとして参考に選出。県庁舎や西条西警察署、県立図書館など19施設、設備の改修が必要とする9施設を挙げた。
今後、財政面を考慮しながら計画的な改修年次の検討に入る。