日本工業経済新聞社(埼玉)
2013/12/06
【埼玉】宮城での復興と現状を深松氏らが講演
日本工業経済新聞社さいたま支局は11月27日、さいたま共済会館で「東日本大震災復興の現状と建設業」をテーマとした緊急セミナーを開催した。建設新聞社(仙台市)の小島義弘編集長が「震災復興の現状と課題」について、叶[松組(仙台市)の深松努代表取締役社長が「東日本大震災で得られたこと 復興に向けての課題と提言」と題して、それぞれ講演を行った。
小島編集長は、仙台市などでは工事がピークに達しているとし、結果的に、資材や労働者の確保が困難を極め、材料費と労務単価が高騰している問題点を解説した。また、入札適正化法による四半期ごとの発注見通しについて、国、県、市町村は11月から月ごとに掲示し、使用する材料や量を明示、業者が準備しやすいように取り計らっていることを語った。
一方、深松社長は、震災直後から被災地での復興に情熱を燃やし、教訓と体験談を交えて熱弁。がれきの処理について、仙台市のタテ割り行政の弊害を痛感したという。がれき処理は6部局が関わり、対策会議を立ち上げても、複数の部局の関係者は参加すらせず、結論がまとまらないことを嘆き、建設業協会はワンストップであり、「市もワンストップでスムーズに」と訴え、処理を迅速化させた。今後、復興が進む中、季節労働者も足りず、国内で「労働者の奪い合いが始まる」「被災3県の復興が遅れることも懸念される」などと現状と今後を憂いた。