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建通新聞社四国
2013/11/29

【徳島】津波警戒区域は10市町

 徳島県は25日、「県南海トラフ巨大地震被害想定」(第二次)と津波防災地域づくり法(2011年施行)に基づく「津波被害警戒区域」の指定(案)を公表した。被害想定はことし7月に公表した人的・建物などの被害想定(第一次)に加え避難者数などのその他の被害を想定。県内の避難者が発生から1週間後に最多の36万2600人になる見通しなどを示した。一方、津波警戒区域の指定(案)は全国で初めて。3カ月程度の周知を経て県内10市町の約200平方`を津波の重大な被害が想定される「津波災害警戒区域」に正式指定する方針。
 想定結果では、最悪のケースとされる冬の午後6時の発災の場合、避難者が津波警報解除当日で31万0600人、1週間後にピークを迎え、1カ月後も34万1700人となる見通しを示した。これは道路・鉄道施設やライフラインの復旧に時間を要するため。道路は1600カ所、鉄道は550カ所、港湾は220バース、防波堤は被災延長が6000bに及ぶと想定している。
 このほか、重量換算で1600万〜2200万dの産業廃棄物、7万0200戸の応急仮設住宅、140集落が孤立すると想定している。建物や道路などの直接経済被害は、建物が最も大きく4兆2100億円で、合計すると6兆4000億円に上るとみている。
 また、津波警戒区域は、今後3カ月程度の周知期間を設けた後に、県報公示で指定することにしているが、これら10市町にはハザードマップづくりや避難経路・施設の整備などを義務付ける。区域内の学校や病院にも避難計画作成などを促す。さらに県は、津波が建物に衝突した際に最も高くなる水位を表す「基準水位」を10b四方ごとに10a単位で表示。避難所や防潮扉などの整備に必要な高さが具体的に分かるようにした。これらは県のホームページで公開している。
 被害想定と津波災害警戒区域の指定案の公表について、飯泉嘉門知事は、25日に開かれた県地震防災対策推進会議の席で、公表は県民の不安を煽るものではない点を強調した上で、挙県一致体制で県民の安全、安心をしっかりと担保しながら、ハード・ソフト両面で計画の具体化・対策を急ぐよう、関係部局の幹部に求めた。