建通新聞社
2013/11/27
【大阪】南海トラフ対策で40億前倒計上 府補正
大阪府は、南海トラフ巨大地震の津波対策として、河川や港湾関係の液状化対策費約40億円を12月補正予算案に前倒しで計上した。内訳は河川34億円、港湾4億6400万円。対策箇所は、神崎川や木津川など11河川沿いと堺新港など13港地区に上り、地盤改良を中心とした液状化対策を急ぐ。
河川関係の対策費は、測量・ボーリング調査などの委託費9億4000万円、詳細設計の委託費8億6000万円、工事費16億円の内訳。
全体で89河川、総事業費2100億円に及ぶとされる南海トラフ巨大地震の対策工事のうち、今回の補正では、大阪市西淀川区の神崎川沿いなどの第一線防御ライン(水門より外側)となる防潮堤約9`の液状化対策に着手する。
対策工法には地盤改良や鋼管矢板の打設を想定しているが、詳細は今後の測量調査や設計で詰めるとしている。
港湾施設については、継続事業の堺旧港地区の液状化対策で、工事費1億円を計上。議決後、早急に工事を発注する。
これとは別に、新たな液状化対策にも着手するため、調査・測量業務と概略設計の委託費として各1億8200万円を盛り込んだ。
対策箇所は、▽浜寺▽泉大津▽堺新港▽松屋三宝▽助松▽大津北▽忠岡岸和田▽高石南▽大津南▽忠岡▽岸和田▽貝塚北▽南町−の13地区。
南海トラフに対する土木構造物の耐震対策検討では、地震直後に液状化し決壊する恐れのある堤防が総延長20`に及ぶことが判明。うち、神崎川護岸に囲まれた西淀川区の佃地区など水門より海側で海抜ゼロb地帯の対策が急務とされ、10月の検討部会を経て、最優先で取り組む方針が示された。
併せて、府都市整備部では最優先の堤防9`分の対策費として約300億円を試算。本年度中の一部着工を目指す。
同補正予算案は12月5日開会の府議会に提案し、同月16日の採決を予定している。