北海道建設新聞社
2013/11/27
【北海道】開発局の低入札契約が激減−施工体制確認型浸透で
北海道開発局発注工事で低入札調査基準価格を下回る契約が激減している。基準価格未満で契約に至ったのは、26日までで8件。過去10年でピークだった2008年度(87件)の10分の1以下となっている。施工体制確認型がほとんどの工事で導入され、基準価格未満での落札が困難となっていることに加え、ことし5月の基準価格の算定基準引き上げなどが要因とみられる。
開発局発注工事の調査基準価格未満での契約は、05年度が57件で前年度を6割強上回り、06年度が67件と増加傾向を示した。こうした事態を受けて開発局は、07年度から調査基準価格未満での応札者に対し、施工体制に関わる評価点をゼロとする施工体制確認型を導入。ダンピング受注への歯止めとした。
しかし、07年度は58件と減少に転じたが、08年度は87件と再び増加。施工体制確認型の対象とならない1億円未満の工事に集中したため、対象額を引き下げた。09年度以降は30―40件台となり、1000万円以上とした12年度は17件と、過去最少を記録した。
13年度はこれまで、過去最少を下回るペースで推移している。施工体制確認型の浸透とともに、年度当初で繰り越し工事が大量に発注となって価格競争が緩和したことや、調査基準価格を構成する一般管理費の算定比率が5月に引き上げられたことなどが要因とみられる。
調査基準価格未満で契約した8件の工種別内訳は、一般土木が3件、機械装置3件、維持と建築が各1件。このうち施工体制確認型を導入していたのは維持を除く7件だが、これらは全て他の応札者の辞退などにより、事実上の1者応札となっている。
中でも札幌開建が10月に契約した石狩川改修(一般土木)では、参加6者中5者が辞退または入札無効となり、調査基準価格を0.01%(1万円)下回った者が落札した。