日本工業経済新聞社(群馬)
2013/11/21
【群馬】県吾妻農業、来年度から中之条広域農道補修着手
県吾妻農業事務所農村整備課は、中之条町折田地内で調査を進めている農道保全対策で、来年度から農山漁村地域整備交付金による県営事業として工事着手する考え。3カ年で路面整備工や橋梁補修工などを予定し、総事業費は2億4800万円を見込む。来年度は路面整備工と橋梁補修設計を発注していく。
対象は折田から五反田を南北に走る中之条広域農道で、全体計画は路面補修工L3・4q、橋梁補修工1橋(笛吹橋)、構造物補修2カ所を計画している。本年度はL約9kmを対象に路面状況に加え、橋梁や擁壁などの構造物を含めた点検診断をNTCコンサルタンツ(本社=愛知県名古屋市)に委託。来年度から工事に入り、2016年度までを事業期間としている。
路面補修工は、経年劣化によりひび割れなどが発生している幅員7mの農道が対象。既存の標準断面は下層路盤工(砕石40−0)t20p、上層路盤工(ソイルアスコン)t6p、表層工(密粒アスコン)t5pとなっており、表層剥ぎ取りt5pと上層路盤再生t6pのほか下層路盤工を活用しつつ、その上層に路上再生セメント(瀝青安定処理)t15p、表層工(密粒アスコン)t5pを整備する。
補修延長3・4mは国道353号以南でL600m、同国道以北L2400m、さらに北の後界戸地区あたりでL400mと分かれている。来年度着工する箇所は、国道の北で坂道あたりからとみられる。
来年度に補修設計の委託を予定する笛吹橋は、1978年に一級河川四万川へ架設した橋長70m、全幅8・2m、上部工形式は2径間連続PCT桁、下部工は逆T式橋台2基と張り出し式小判型橋脚1基となっている。現段階では両橋台と橋脚で落橋防止構造設置、変位制御装置設置、地覆目地材充填、伸縮装置更新、縁端拡幅のほか、橋脚で炭素繊維接着補強(5p)を見通している。2009年度に点検を実施している。
構造物補修は、2カ所ともボックスカルバートの道路横断工が対象。15年度以降に補修工事を行う。
同農道は、1979〜83年にかけて広域農道中之条地区として施工された路線で、経年劣化による舗装の痛みが激しく、管理者による維持補修も困難であることから通作に支障がある。また、橋梁は耐震基準を満たしておらず、大地震による倒壊のおそれもある。今回の事業により、施設の長寿命化によるライフサイクルコストの低減を図ることになった。同課では同様の事業を嬬恋村大笹地区の広域農道や農免農道で16年度までの期限で展開している。