建通新聞社四国
2013/11/19
【高知】8河川の耐震対策に23.5億円を要求
高知県と高知市は11月12日、合同で南海トラフ地震対策連携会議を開き、長期浸水対策の推進など14項目で、2014年度当初予算の要求内容について報告した。高知市関連の県事業では、長期浸水対策として8河川の耐震対策に23億5000万円や高知港若松町工区での高潮対策に7億円を国に対し要望する。市では、学校の耐震化に向け第六小学校東舎など7校8施設の耐震補強工事と神田小北舎など7校7施設の耐震補強設計を行うことなどが盛り込まれている。
県市合同の会議は今回が4回目。14年度当初予算要求に加え、13年度上半期の取り組み状況と下半期の取り組み内容を、ハード、ソフト両面から津波避難対策の推進、長期浸水対策、医療体制、遺体処理、廃棄物対策、農業用タンクの津波対策、漁業用タンクの津波対策、防災教育の推進、公立学校の耐震化、工業団地の開発、事業者への南海トラフ巨大地震への対策支援、防災関連産業の振興、応急仮設住宅対策、火災に備えるの14項目について報告した。
このうち長期浸水(止水・排水)対策では、県からは河川・海岸堤防の耐震対策として、国分川や鏡川など8河川で耐震対策を加速化させるため23億5000万円、高知港海岸若松町工区で延長250bで高潮対策を加速化させるため7億円をそれぞれ要望。排水機場の耐水化は、江ノ口川、本江田川、鹿児川、鹿児第二排水機場での耐水化に3億円を要望している。市からは、瀬戸下水処理場内雨水ポンプ場の防水化と第一分区幹線耐震化(延長約280b)を推進するため5億円を要望しているほか、農地排水機場で耐震化を検討するため、丹七・出分・介良・唐谷・菱池・菱池第二の6機場で機能保全計画を作成するため、県営事業として要望している。
公立学校の耐震化では、市は14年5月から9月末までの工期で第六小東舎、9月から15年1月末までの工期で第四小、神田小、鏡小、潮江中、城北中の体育館と城北中、愛宕中の技術棟の耐震補強工事を進める。また4月から11月末までの納期で神田小北舎、第四小東舎、小高坂小北舎、横浜小北舎、潮江小南舎、鴨田小昇降所棟、城東中南舎の耐震補強設計を予定している。県は市町村が進める耐震診断への補助と耐震診断など工事への継ぎ足し補助を継続支援する。
火災に備えるでは、市は木造住宅耐震診断士派遣事業800件、木造住宅耐震改修計画作成費補助事業と木造住宅耐震改修費補助事業600件、老朽住宅除却事業費20件を要望、県は住宅耐震化、老朽住宅除却事業補助の予算確保に努める。重点密集市街地の解消として市は、下島土地区画整理事業の土地先行買収の本格化、中須賀土地区画整理事業の事業認可に向けた合意形成活動と土地先行買収開始、旭町2丁目への都市再生住宅建設を進める。
農業用タンクの津波対策では、県は農業用燃料タンク対策事業新設を計画しており、タンクの削減や機能強化につながる取り組みに対して補助をする。具体的には、重油代替暖房機を導入することで燃料タンクの削減につながる場合、既存タンクを流出防止装置付タンク設備にする場合に必要な経費の一部についての補助を予定している。市は整備予定のタンク数について関係機関と調整中。
漁業用タンクの津波対策では、市は漁業用屋外燃油タンクの減災タンク1基を撤去、県はそれに対する補助を予定している。
工業団地の開発では、県市が合同で高知一宮団地(仮称)の整備を進める。県は造成工事、市は関連工事の施工を進める。開発面積は約8・4f。