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建通新聞社四国
2013/11/19

【香川】民間大規模建築物の耐震診断費支援創設

 11月25日から施行する改正耐震改修促進法に合わせ、香川県と高松市は耐震診断義務付け対象の建築物に対する支援制度を創設した。改正法では地震に対する安全性を緊急に確かめる必要のある不特定多数利用の民間大規模建築物(要緊急安全確認大規模建築物)の所有者に、耐震診断の実施や所管行政庁への診断有無などの報告を義務付けた。これを受けて県と高松市は、耐震診断を行う民間事業者に対する支援制度を創設。25日以降、高松市が民間事業者に耐震診断費用の助成を行い、県は高松市を含む市町に対し補助を行う。補助対象事業費限度額での事業者負担ゼロや、耐震診断の結果報告が義務化されることで民間建築物の耐震化に弾みがつくものと期待される。一方で診断後の補強設計など耐震改修支援制度の拡充にも期待が寄せられている。
 県と高松市はすでに9月補正予算で補助枠となる民間建築物の耐震対策支援事業の関連予算を計上済み。民間事業者との直接補助手続きを担う高松市は補助金交付要綱の細部を固めており、施行までに要件など要綱の詳細を整える。この中では診断内容を審査する評定機関の設置も、既存機関の活用も視野に検討材料に挙げている。また、高松市以外の関連市町に関しては2014年度の事業化に向けて、今後市町議会などと調整するという。
 改正法の要緊急安全確認大規模建築物の要件になるのは旧耐震基準で、▽病院、店舗、旅館など―階数3および床面積の合計5000平方b以上▽体育館―階数1および床面積合計5000平方b以上▽老人ホームなど―階数2および床面積合計5000平方b以上▽幼稚園、保育所―階数2および床面積合計1500平方b以上▽小・中学校―階数2および床面積合計3000平方b以上▽危険物貯蔵所など―階数1および5000平方b以上。県内では民間建築物23棟が対象になり、このうち11棟が耐震未診断。
 支援制度では耐震診断の補助対象事業費限度額として▽面積1000平方b以内の部分は1平方b当たり2000円▽面積1000平方b超2000平方b以内の部分は同1500円▽面積2000平方b超える部分は同1000円―の単価を乗じて算出。県費、市費の補助上限は設けない。補助率の構成は国が2分の1、県、市町がそれぞれ4分の1。同限度額内での事業者負担はゼロ。また、耐震診断の事業期間は11月25日から16年3月31日まで。手続きとしては高松市に民間事業者が事業計画書を提出し補助要件など市が審査後承認となれば、補助申請・交付手続きに進む。
 また耐震診断は1級・2級建築士や木造建築士で登録耐震診断資格者講習の修了者か国土交通大臣の定める者が行う。診断結果の報告は、法施行以前に耐震診断済みの義務付け対象の全建築物はあらためて報告を求め、施行後は診断対象建築物の名称やIS値などを含む結果が公表される。