日本工業経済新聞社(群馬)
2013/11/15
【群馬】県が施工パッケージ型積算を来年4月から導入へ
国土交通省が昨年10月から実施している施工パッケージ型積算方式を県も導入することが建設企画課への取材で分かった。県が導入するのは来年4月からで、対象は掘削や路盤工、表層工など63工種。県工事では県土整備部のほか、同部の積算システムを活用している企業局発注工事も対象となるもよう。また、同じ積算システムを利用する県内35市町村の土木工事についても、来年4月から施工パッケージ型積算方式へと移行となる見通し。
施工パッケージ型積算方式の対象は国が昨年10月に導入を開始した63工種で、そのほかの工種については従来通りの積み上げ積算方式のままとなる。また、共通仮設費や現場管理費、一般管理費などの間接費は現行の積み上げ積算方式で算出する。
県では来年4月からの導入を目指しており、同課では来週から各土木事務所管内別に説明会を開催する予定。
業界側への説明会は◇11月18日が藤岡土木管内、富岡土木管内◇20日が中之条土木管内、沼田土木管内◇21日が伊勢崎土木管内、桐生土木管内◇26日が太田土木管内、館林土木管内◇12月12日が安中土木管内◇12月13日が前橋土木管内、渋川土木管内、高崎土木管内−となる。
国土交通省では昨年10月移行、県が今回導入する63工種を対象に施工パッケージ型積算方式を実施し、ことし10月からは209工種にまで拡大。来年4月からはさらに適用工種を広げていく予定で、県もこの拡大を受け、来年10月からは209工種にまで適用範囲を拡大させる計画だ。
施工パッケージ型積算方式では積み上げ積算のように機械経費、労務費、材料費を細かく積み上げず、各工種ごとで施工方法や施工規模などに応じて設定されている「標準単価(東京基準)」を「東京単価(機労材単価)」と「群馬県基礎単価(機労材単価)」の比率を補正して算出する。
算出方法だが、国土技術政策総合研究所(通称・国総研)が公表している標準単価表から標準単価と機労材構成比を補正式(右に掲載)に入れ、さらに代表機労材の規格を確認した上で、群馬県の建設機械損料算定表や基礎単価、物価資料から群馬県単価を、国土交通省の建設機械等損料算定表や公共工事設計労務単価、物価調査会および経済調査会などから東京単価をそれぞれ決定して補正式に当てはめると、群馬県の積算単価が算出される。
なお、主要な積算ソフトは施工パッケージ型積算に対応可能だが、積算ソフトを導入していない企業に対し、県では積算単価を算出できる「積算支援用エクセルファイル」を県土整備部の基準通知システムにアップする予定で、12月1日にもダウンロードが可能となる見通し。