日本工業経済新聞社(群馬)
2013/11/14
【群馬】県中之条土木、四万川ダム長寿命化計画策定
県中之条土木事務所は、中之条町四万地先にある四万川ダムの今後40年間にわたる長寿命化計画を本年度内にまとめる。計画策定の委託先選定にあたっては簡易型プロポーザルを採用し、審査の結果、建設技術研究所(東京都中央区)を特定、来年3月14日までの期限で作業を進められている。
長寿命化計画の対象は、堤体、取水放流設備、電気通信設備、管理用建屋、周辺公園となっている。堤体は、ダム本体、洪水吐、監査廊などを備える。計画がまとまれば、今後の同ダム維持にかかる概算費用などが判明する。
国土交通省は昨年度、道路の橋梁以外の構造物や河川・ダム、下水道などの長寿命化計画を策定する方針を決めた。それを受け、県では本年度に四万川ダムに加え霧積ダム(安中市)、桐生川ダム(桐生市)、道平川ダム(下仁田町)、坂本ダム(安中市)、塩沢ダム(神流町)、大仁田ダム(南牧村)という全県営ダムで長寿命化計画の策定を予定する。
四万川ダムは、堤高89・5m、堤頂長330m、堤体積51万6000立方m、総貯水容量920万立方m、有効貯水容量860万立方m、堆砂容量60万立方m。堤体は化粧型枠が施されている。
放水設備の諸元として、まず最上部の非常用洪水吐はクレスト自由越流型式4径間、径間長12・5m、越流水深3・6mとなっている。その下にある常用洪水吐(非洪水期用)はオリフィスゲート2門で、それぞれ吐口が2m×1・724m、門扉方式はローラゲート。続く常用洪水吐(洪水期用)は半管路型放流管1条で管径φ2600o、ローラゲートとなっている。また、利水放流設備は円形多段式ゲートの放流管径φ1500o、主放流φ900o、副放流φ350o。
中之条町が県からの委託を受け管理している日向見公園、栂の広場、赤沢やすらぎ広場、稲包せせらぎ広場の4公園も長寿命化計画の対象。堤体直下の日向見公園にはイベント用ステージや管理棟があるほか、他の公園には展望施設して四阿などが設置されている。
同計画とは別に、昨年度から本年度にかけて完成後はじめての設備更新に着手。ゲートの機側設備および観測機器のほかCCTV設備、ダムテレメータ放流警報設備、管理用制御処理設備などが改められている。