建通新聞社(神奈川)
2013/11/13
【神奈川】横浜市 指定管理者に施設改修提案も。PPP手法検討開始
横浜市政策局は、公の施設の指定管理に、改修・修繕を含むPPP(Public Private Partnership/公民連携)手法の導入を新たに検討する。指定管理者の選定時に施設の改修工事に関する提案を求め、改修や維持保全にかかる市の財政負担を軽減することが可能か調査する。
このほど「民間のアイデア・ノウハウ等を活用した公の施設の改修・修繕を含んだ新たな指定管理手法の調査検討業務委託」の公募型指名競争入札を公告した。入札参加資格は「各種調査企画」の「コンサルティング(建設コンサルを除く)」に1位登録のある者で、公共施設のPPP手法に関する調査業務実績があることが条件。11月27日まで入札参加申し込みを受け付ける。開札は12月5日。
PPP手法の導入検討対象は公の施設一般で、市内には地区センターや公会堂など区民利用施設345施設と、横浜みなとみらいホールや横浜文化体育館など市民利用施設198施設、市営住宅や港湾関係厚生センターなどその他施設365施設の合計908施設がある=別表=。各施設個別の改修・修繕方法ではなく、施設一般として、PPP手法の可能性を検討する。上下水道施設や道路・橋梁など都市インフラ施設は含まない。
委託業務の内容は▽他都市での指定管理施設に民間のアイデアやノウハウ、資金を活用した事例の調査・分析▽横浜市の指定管理者へのヒアリング調査▽新たな改修・修繕手法の検討―など。2014年3月までに検討結果をまとめ、14年度以降、結果を踏まえた検討を深める。
調査・分析事例としては、図書館の指定管理者に維持管理運営と改修設計を担う者を公募した海老名市や、同じく図書館の指定管理者に民間企業カルチュア・コンビニエンス・クラブを選定した佐賀県武雄市などを挙げ、民間のアイデアやノウハウ、資金を活用した場合の情報や課題整理を求める。
市では11〜28年度までの公共施設・インフラの保全費を年間約1500億円と試算。効率的な保全の実施や多様な資金調達方法の検討が課題となっている。
PFIを中心とするPPP手法は、施設新設時には導入されているが、既存施設の改修と維持保全への導入事例は少ない。より効果的で効率的な改修・維持保全を可能にするため、PPP手法を検討する。
問い合わせ先は共創推進課。