静岡県内の建設業死亡労働災害が、暦年累計で過去最少となる可能性が高まってきた。静岡労働局がまとめた建設業死亡労働災害発生状況(暫定値)によると、10月は9月に続いて2カ月連続で発生がなかった。
ことしは5月と8月に1件ずつ発生したものの、それ以外の9カ月間は発生ゼロで、累計では依然として2件にとどまっている。1975(昭和50)年からの月別死亡労働災害発生状況によると、2005年の10件が最も少なく、残り11、12月がゼロとなれば過去最少となる。
厚生労働省のまとめによる東海4県の状況(9月末現在)を見ると、愛知県が最も多く12件、次いで三重県が4件。静岡県は岐阜県と並んで2件となっている。
一方で、休業4日以上の死傷災害については、10月末現在で412件が発生し、前年同期比で20件増えている。死傷災害の増加傾向は、死亡労働災害につながる火種でもあり、楽観できない状況が続いている。
本年度は、公共事業が補正予算の追加を反映して前年度を大幅に上回る工事量が発注され、民間では消費税増税を来年4月に控えて住宅着工など建築物の駆け込み需要があった。例年以上の工事が年末、年度末に動くことから、一層の災害防止活動の徹底が求められる。
(2013/11/13)
建通新聞社 静岡支社