日本工業経済新聞社(茨城)
2013/11/07
【茨城】県河川課 28カ所7億円 台風26号査定申請
県土木部河川課は台風26号(先月16日)の被害を受けた県内の公共土木施設について、災害査定の申請箇所をまとめた。市町村分も含め合計28カ所で、被害額は約7億円。県では近く国土交通省へ申請し、12月中旬に数日間、査定を受ける。最終日に査定額が決定すれば、復旧工事の発注準備が可能となり、年明けから発注される見通し。
台風26号の接近により、県内では鹿行、県南地域を中心に大雨となり、道路や河川などで被害が発生。そのうち河川では、清明川の堤防(阿見町飯倉、学校橋下流右岸)が決壊したほか、新利根川の法面(稲敷市太田、新橋上流左岸)が崩壊した。
県では応急処置を施しつつ、災害復旧に必要な費用を得るため、国に現地査定を依頼。査定の申請箇所や被害額をまとめながら、国土交通省河川局と調整を進めている。
査定申請する28カ所は、県が16で市町村が12。被害額は県が約5億5000万円、市町村が約1億5000万円にのぼる。
そのうち県は鉾田工事事務所が河川1カ所、海岸2カ所、道路3カ所。潮来土木事務所が海岸1カ所、急傾斜1カ所、道路1カ所。竜ヶ崎工事事務所が河川7カ所。
市町村はいずれも道路。鉾田市、鹿嶋市、潮来市でそれぞれ3カ所、大洗町、稲敷市、龍ケ崎市でそれぞれ1カ所を申請する。
現地査定は12月中旬に実施する。申請に基づいて国交省と財務省の査定官が現地に赴き、査定して復旧金額を決める。決定した金額を査定官が査定設計書に書き込む「朱入れ」で補助額が確定。復旧工事は原則3年以内に実施する。
その後、各課や事務所の判断にもよるが、補助額の確定で、制度上、工事発注の準備が可能となる。そのため最終日には事務所や市町村へ箇所付けされ、年明けにも事業実施される見通し。
県施設分については、当初予算で災害土木施設復旧費を組んでいることから、年度内執行が可能。ただ被害額5・5億円の全額が査定を通れば予算オーバーが予想される。そのため補正予算が編成される見通し。また、どの箇所を優先するかは今後の判断となる。