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建通新聞社四国
2013/11/05

【愛媛】全額公費負担で耐震診断実施

 松山市内にある病院や旅館など不特定多数の者が利用する大規模建物の所有者に対し、耐震診断の費用が全額公費負担で実施できる制度が12月から始まる。不特定多数の者が利用する病院や店舗、旅館など大規模建築物に対して、耐震診断を義務付ける改正耐震改修促進法が11月25日に施行されるのに伴い、国・愛媛県・松山市が支援策を創設し対応する。
 改正法では、1981年6月以前の旧耐震基準で建てられた階数3階以上および延べ床面積5000平方b以上の病院や店舗、旅館など不特定多数の者が利用する建物について、2015年12月末までに診断結果の報告を求めており、結果は公表される。
 県の簡易調査では、県内に40棟程度の対象建物があり、大半が松山市内に立地している。
 改正法で規制強化がなされたことを受け、補助などの支援策も3年を時限に施され、国が診断に対して費用3分の1の交付金に補助金を追加し2分の1に拡充。県も4分の1を補助するため9月に予算化し新たに制度を創設した。
 補助制度は、各市町が建物所有者に対して助成するもので、県内では松山市が9月に予算化し、12月上旬の制度運用開始に向けて実施要項などを煮詰めている。他市町で補助を受ける場合、松山市同様に予算化や制度創設が求められ、県では耐震診断の促進を図るため、他市町にも補助制度の創設を呼び掛けている。
 松山市では大規模建物の所有者は、全額公費負担で耐震診断が受けられるようになる(補助限度額内)。補助内訳は国が2分の1、県が4分の1、松山市が4分の1となる。
 補助を受けようとする者は事前申し込みが必要で、松山市建築指導課には10月30日現在、数件の問い合わせがあり、12月上旬の制度開始とともに申請を受け付ける。
 県は当面、耐震診断の促進を図り、改修費助成などは予算的な配慮も必要となり、今後の検討課題と話す。