静岡県が推進している「ふじのくに防災減災・地域成長モデル総合特区(内陸のフロンティアを拓(ひら)く取組)」の総合特区で、国の支援利子補給制度の県内初適用となる2件が決まった。ことし8月の集中受付では、県内で7件(35億円)の申請があり、このうちの松浦梱包輸送(掛川市、金融機関は静岡銀行)と小寺製材所(御殿場市、金融機関は沼津信用金庫)が採択を受けた。残る5件については、10月の受け付けにエントリーしている。
県では、10月の申請状況について5件を含めて「物流施設関係を中心に相談を受けている」としている。本年度の受け付けは10月が最終となるが、2014年度については国の概算要求で予算が110億円と拡大、事業の進展が見込まれる。
松浦梱包輸送は、東名掛川インターチェンジ近くの掛川市杉谷493ノ1に、物流センターを建設する。施設は倉庫・事務所で3階建て延べ6287平方b。県内全域が対象の広域物流ネットワークの充実として、「多層的な地域連携軸の形成モデル事業」に該当する。
小寺製材所は、小山町が計画している「木質バイオマス発電を中心とした産業拠点整備事業」のゾーンに、製材過程で発生する残材をチップ化して木質バイオマス発電所の燃料として提供するための製材工場を整備する。内陸・高台部のイノベーションモデル事業に該当する。
また、採択された事業者は、災害に強い地域づくりに向けて、大規模災害発生時に建設した施設が拠点となるように、市町と災害協定を結ぶこととなる。
(2013/11/1)
建通新聞社 静岡支社