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日本工業経済新聞社(群馬)
2013/10/28

【群馬】本年度の発注者協議会開く 入契制度の現状示す

 本年度の群馬県公共工事発注者協議会が25日に県庁で開かれ、国、県、市町村がそれぞれの入札契約制度の現状について情報を共有した。この中で最低制限価格の算定式に関し、館林市が来年4月1日から一般管理費の掛け率を55%とする最新公契連モデルへの移行に向け、検討中であることが分かった。また、総合評価落札方式の導入では、吉岡町が昨年度すでに試行要領案を策定済みで、県の超簡易型を参考に貢献度などを独自に評価した形での導入を検討中。出席した同町の職員は「来年度から対応できるかどうかを検討しているところ」と明かした。

 議事に先立ち、県県土整備部の福田和明技監が「入札契約制度に関しては、それぞれ抱える課題も多いと思うが、互いが連携し情報共有を行っていくことが大事」と呼びかけ、同協議会開催の意義を強調した。
 その後、議事へと移り、国と県が入札契約制度の現状を説明したほか、市町村における同制度の運用状況などが示された。
 県が調査した市町村における入札契約制度の現状をみると、最低制限価格の未導入自治体は◇榛東村◇神流町◇上野村◇南牧村◇甘楽町◇中之条町◇東吾妻町◇長野原町◇高山村◇片品村◇川場村◇昭和村◇板倉町◇明和町◇千代田町◇邑楽町−の16町村で、昨年度の同協議会開催前に調査した状況と変化はなかった。
 甘楽町、高山村、川場村は最低制限価格導入の必要性を感じているものの、当日欠席した甘楽町を除く高山村と川場村から具体的な導入時期の明示などはなかった。そんな中、すでに導入済みの館林市では、一般管理費の掛け率を55%とする最新公契連モデルへの移行に向けた検討を進めており、来年4月1日からの導入で検討を進めているようだ。
 一方、低入札調査基準価格については、未導入自治体が昨年度の調査時と同様◇太田市◇沼田市◇渋川市◇藤岡市◇富岡市◇みどり市◇榛東村◇神流町◇上野村◇下仁田町◇南牧村◇甘楽町◇中之条町◇東吾妻町◇長野原町◇嬬恋村◇草津町◇高山村◇片品村◇川場村◇みなかみ町◇昭和村◇板倉町◇明和町◇千代田町◇大泉町◇邑楽町−の27市町村にとどまった。このうち、甘楽町と高山村が導入の必要性を感じているほか、最低制限価格の算定式を見直す姿勢を見せている館林市では、低入札価格調査基準価格に関しても最新公契連モデルへの移行の必要性を示している。
 これら両価格と予定価格を含めた事後公表化の現状だが、予定価格については◇高崎市◇桐生市◇伊勢崎市◇太田市◇館林市◇みどり市◇吉岡町◇中之条町◇東吾妻町◇嬬恋村◇大泉町◇邑楽町−などが事前公表。このうち、館林市と玉村町は調査時に『事後公表化への検討』にチェックを付けたものの、同協議会の意見交換の場では「内部で検討しているが、近々やるかは決まっていない(館林市)」「設計価格4000万円未満の工事を事前公表、4000万円以上の工事を事後公表としており、事後公表が望ましいとの観点からチェックは付けたが、今のところ変更の予定はなし(玉村町)」との発言にとどまった。
 最低制限価格は桐生市、太田市、みどり市が、低入札調査基準価格は桐生市と吉岡町(一般競争入札案件)がそれぞれ事前公表となっている。
 2012年度の発注工事実績をみると、引き続き太田市のくじ引き件数が突出しており、発注件数410件中304件で発生。平均落札率は83・6%だった。このほか、県内の自治体で90%を下回ったのは◇片品村の82・7%◇沼田市の87・5%◇明和町の87・7%−となっている。